1 組立上の共通注意事項
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- 事前準備
組立作業自体は慣れれば簡単ですが、マザーボードには日本語マニュアルが添付されていないことが多いので、初心者の方は、パソコン雑誌の特集などの自作の解説書を用意する必要があります。
なお最近のパーツは、取り付け方法が標準ではないものが多くなっており、パーツに付属するマニュアルがあれば必ず確認してください。特にCPUとCPUファンの装着方法はマニュアルを見てください。
最近バルク品のCPUを見かけなく、BOX品(リテールパッケージ)が主に販売されており、BOX品にはマニュアルが付属しています。
必須工具はプラスドライバのみですが、ジャンパピンのセット、REDケーブルの接続など細かい作業には、ピンセットがあれば便利です。また予備のネジを用意しておくと、作業を始めてから足りなくて慌てないですみます。
PCケースによっては、上の画像のようにマザーボードを固定する背面パネル(マザーボードベース)の取り外しができるタイプのケースがあり、背面パネルを取り外した状態でドライブ類以外のほとんどのパーツは容易に装着できます。
またこのPCケースの場合、パネルのケースへの取り付けは、手回しネジで締めることができ、ドライバが不要です。ビデオカードやPCIスロットへのカードの取り付けも、画像で解るように手回しネジで可能ですが、HDDやDVDドライブの取り付けにはプラスドライバが必要です。
最近のPCケースは、外回りなどでは手回しネジを使用していることが多くなりました。また手回しネジのみパーツショップで販売しており、使えるなら交換するとケースの開閉が楽になります。そのほか、ケーブルバンドやワッシャなど、あると便利な小物もいろいろ揃っており、組む前にパーツショップを覗いてみると良いでしょう。
- 身体の静電気に注意
CPU、マザーボード、メモリー、ビデオカードなどに触れる時は、その前に窓のサッシやドアのノブなどスチール製のものに先に触れて身体の静電気を逃がしておくと安全です。
冬場の乾燥している時期は特に要注意であり、作業中もときどき静電気を逃がすように気をつけてください。それでも心配であれば、静電気防止グッズを利用すると良いでしょう。
- インチネジとミリネジに注意
日本では、ミリネジが多く使われてまいすが、パソコンのパーツは海外製のものが多く、本体ケースに取り付けるマザーボードやドライブ類などインチネジもかなり使われてます。インチネジとミリネジを間違えると、ネジ穴をつぶしてしまうので気をつけてください。
ネジ山、ネジ谷が粗いのがインチネジで、細かいのがミリネジです。ネジは見れば区別がつきますが、ネジ穴は解りにくいですね。
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PCケース、マザーボードやHDDはインチネジで、DVDドライブはミリネジのことが多いのですが、よくわからない場合、ドライバーを軽く回してみて、入っていかないようでしたら、無理に締めこまないで取替えてみてください。
- 電源ONのままの作業は厳禁
新たに組立てるときは電源コードを繋いでないでしょうが、組立てて電源を入れたら起動しなくて、再度接続を確認するなどケースを開けるときは要注意です。慌てていて電源コードを繋いだまま作業しないように気をつけましょう。
コンセントから電源プラグを抜くとともに、ATX電源は、本体ケース背面に電源スィッチがありますので、必ずOFFにする習慣を身に付けるとよいでしょう。
何度か作り慣れてくると、ケースカバーを開けたまま電源を入切する方が確認が早いので、そうするようになりますが、うっかり電源を切らないでパーツに触れ冷や汗をかくことは慣れていてもあります。
ケースカバーを開けたまま電源を入れても大丈夫ですが、電源を入れたままパーツを取付けたり、外したりは厳禁です。
なお本体ケース背面の電源スィッチの辺りに電圧設定スィッチがあり、日本仕様(100〜115V)になっていると思いますが、最初に電源を入れる前に確認してください。
- PCケースの構造や事前準備の確認
一台のパソコンを組み立てるための作業の順番については、PCケースの構造、大きさや形状など、状況判断で手順を変えた方が作業が楽なこともあります。
この組立講座では、マザーボードにCPUとメモリーを装着してからPCケースに組み込む手順を説明していますが、先にPCケースにマザーボードを取り付けてからCPUとメモリーを装着する方が良い場合があります。
PCケースを眺めてみて、マザーボードを先に取り付けても、CPUとメモリーが楽に装着できるようであれば、それで良いのです。
また事前準備として、あらかじめ前作業が必要なことがないか、次の事項を確認しておくと手戻りがないでしょう。
(1) PCケースの背面パネル(マザーボードベース)にスペーサーが付けられているか。
(2) 後面I/Oシールドの形状は、マザーボードに付属するものに交換しなくても良いか。
(3) 使用する5インチベイや3.5インチベイを覆っているカバーは外してあるか。
(4) ハードディスクやDVDドライブのジャンパピンはセットし直す必要がないか。
(5)
電源ユニットに必要な電源供給ケーブルは付属しているか。
なお、詳しくは後述のそれぞれの事項で説明しています。
また電源ユニットが付属していないPCケースでは、普通は先に電源ユニットを取り付けますが、マザーボードを取り付けてから電源ユニットを取り付けた方が良い場合があります。なお稀に、一旦電源ユニットを取り外さないとマザーボードが取り付けにくいケースがあります。
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