1-1 RADEON HD4850ビデオカードの選択
1-2 ビデオカードの装着・ドライバのインストール
2 動作検証・ベンチマーク
2-1 動作検証・Vistaのパフォーマンス評価
2-2 WindowsXPでのベンチマーク
2-3 WindowsVistaでのベンチマーク
<関連ファイル:2008年5月自作 ・・・ Core2 Quad PC自作>
1 RADEON HD4850ビデオカードへの換装
自宅のメインのパソコンは、2008年5月に組み直して以降は次のようなパーツ構成です。
○ CPU ・・・・・・・ Intel Core2 Quad Q9450
○ マザーボード ・ ASUS P5K Deluxe/WiFi-AP (P35チップセット)
○ メモリー ・・・・ Corsair TWIN2X2048-6400C4 (DDR2-800 1GB×2枚組みセット)
○ HDD ・・・・・・ WesternDigital WD7500AAKS (WD Caviar SE16シリーズ750GB)
○ ビデオカード ・ Leadtek WinFast PX 8600GTS (GeForce 8600GTS)
○ PCケース ・・・ Thermaltake Matrix vx VD3000SWA (ミドルサイズATXケース)
○ その他 ・・・・・ Pioneer DVR-A12J-BK (DVDドライブ)等
ビデオカードのWinFast PX 8600GTSは購入して1年程度とまだ新しいビデオカードですが、このところビデオカードは技術進歩が著しく、新しいシリーズへの世代交代が早くなっています。
すでに、5月に上記パーツ構成で組み直した時点で、AMD-ATIのRADEON HD4000シリーズの情報が流れており、このリリースを待っていましたが、6月20日にRADEON HD4850搭載ビデオカードが発売され、続いて上位モデルのRADEON HD4870搭載ビデオカードが発売されました。
同時期に、ライバルのNVIDIAのハイエンド向けのGeForce GTX280、GTX260搭載ビデオカードが発売されましたが、コストパフォーマンスが圧倒的に優れるRADEON HD4870、HD4850搭載ビデオカードの人気が上回り、一気にRADEONシリーズが優勢となって立場が逆転しています。
ハイエンドGPUは消費電力が高くて熱くなり、この6月以降に登場したGPUの最大消費電力は、RADEON HD4870 X2(286W)、GeForce GTX280(236W)、GTX260(182W)、RADEON HD4870(160W)、GeForce 9800GTX+(141W)、RADEON HD4870(110W)という順です。
メインのパソコンは比較的通気性の良いミドルタワーケースですが、熱くてファン回転音がうるさいと言われているGeForce8800GTでさえ消費電力が105Wですから、静かなパソコンを好むのであれば、110WのRADEON HD4850ぐらいが限界でしょう。
1-1 RADEON HD4850ビデオカードの選択
RADEON HD4850搭載ビデオカードは、パフォーマンスが優れているため発売当初からAMD-ATIのリファレンスモデルの売れ行きが絶好調という状況ですが、ハイエンドGPUの中では消費電力の低いRADEON HD4850であっても、やはり高熱となるために、冷却能力の高いオリジナルファン採用モデルの発売が期待されています。
7月下旬に初のオリジナルファン採用モデルとして、Sapphireの「TOXIC HD4850 512MB」が発売されましたが、比較して選ぶために他のモデルの発売を待つこととし、ようやく盆明けになって各メーカーのオリジナルファン採用モデルが出揃ってきました。
そして8月下旬に、右の画像のSapphireの「TOXIC HD4850 512MB」を購入しました。
外観的な特徴は、Radeonシリーズのイメージ色は「赤」が基調なのに、「TOXIC HD4850 512MB」は、基盤が青色でZalmanファンを搭載しており、見た目はRADEONらしくない感じです。
またスペックは、コア 700MHz、メモリー 2120MHz(データレート)にオーバークロックされています。
Radeon HD4850の定格スペックは、コア625MHz、メモリデータレート1986MHz(GDDR3メモリー)であり、上位のHD4870のコア750MHz、メモリデータレート3600MHz(GDDR5メモリー)と比べて、クロックが低いもののストリームプロセッサ数は同じ800基と素質が良いGPUです。
購入時点で発売されていたモデルは、My Free-style PCサイト内のPC自作関係の最近の情報の「8/24版 オリジナルファンRedoen HD4850次々登場」を参照していただくとして、オリジナルファン採用モデルは大きく分けて定格クロックのモデルとオーバークロックモデルとあります。
購入した後でも、Palit「Radeon HD 4850 Sonic」とASUSの「EAH4850/HTDI/512M/R2」が発売されていますが、購入時点で他に候補として検討したモデルとして、オーバークロックモデルでは、2スロット仕様の外排気タイプのHISのIceQ4「H485QT512P」と、クロックが高くスロットから一部熱を逃がす仕様となっているGAINWARDの「HD4850-512-GS」が魅力的です。
大型の冷却能力の高いオリジナルファンを採用しているので、オーバークロックモデルを選びたいところですが、クロックを上げればさらに高熱となるため、ファンの回転数が上がることによる騒音が心配であれば、むしろ定格クロックのモデルの方が適しており無難でしょう。
Sapphire、HIS、GAINWARDでは、それぞれ定格クロックのオリジナルファン採用モデルも発売されており、外排気タイプのHISのIceQ4「H485QS512P」、GAINWARDの「HD4850-512-RF」とケース内大型ファン採用のSapphireの「HD4850 512MB Dual Slot Fan cooler」が候補となります。
今回購入するRadeon HD4850ビデオカードを、将来スリムATXケースやコンパクトPCケースのセカンドマシンに使い回すことを想定すれば、小さなPCケース内に熱がこもりにくいHISかGAINWARDの外排気タイプの定格クロックモデルが好ましいでしょう。
ただし、メインパソコンの騒音レベルを抑えることのみ着目すれば、比較的エアフローが確保されているPCケースであり、さらに換気を強化するための工夫はPCケース側で別途可能なため、ビデオカードのファンの回転音ができる限り静かなものが向いています。
つまり、HISのIceQ4の外排気クーラーは評判が良いようですが、一般的には外排気クーラーはそのものがうるさい可能性があり、小型PCケースや密閉性の強いPCケースでは外排気タイプが向いていても、ある程度大きくて換気性がよくエアフローが強化できるPCケースでは大型静音ファンが無難ということです。
大型静音ファンタイプでは、Power Colorの「AX4850 512MD3-PPH」も放熱冷却効果が高そうなクーラーを採用しており、これも含めて迷うところですが、セカンドマシンに使い回すことは無理気味であり、メインパソコンの騒音レベルを上げないことを重視して選びました。
なお最近のトレンドとして、密閉型より開放型のPCケースが流行しており、騒音を密閉して抑え込むのではなく、騒音が漏れやすいPCケースでは元々騒音レベルの低いパーツを選ぶことが重要となっており、騒音の発生源で小さくすることが理にかなっています。
最終的には、定評があるZalmanファンを採用していて、最大ノイズレベルが25dbA±10%と静かなSapphireの「TOXIC HD4850 512MB」を購入しました。
「TOXIC HD4850 512MB」は右の画像のように、付属品やバンドルソフトが充実していますが、購入価格は3万円弱とRadeon HD4850ビデオカードの相場が2万円台前半なので少し割高となります。
購入時点で上位モデルのRadeon HD4870ビデオカードも3万円を切ったモデルがあり、NVIDIAのGeForce9800GTX+ビデオカードも2万円台後半で購入できます。
もちろんパフォーマンスでは、Radeon HD4850のオーバークロックモデルでも、Radeon HD4870ビデオカードとの差は大きく、この価格帯ではRadeon HD4870ビデオカードがベストです。
しかし、消費電力160WクラスのRadeon HD4870ビデオカードは、そのリファレンスモデルのように外排気タイプのクーラーを採用しているとしても、直接ケースの外に熱を逃がさなければならないほど熱くなるという面があり、しっかり冷却できるとしても騒音レベルの抑制は難しく、相当うるさいことはやむを得ないでしょう。
うるさいと感じるかどうか人によって感覚は異なるものの、どちらかというと騒音は気になる方なので、Radeon HD4850が限界という感じです。
1-2 ビデオカードの装着・ドライバのインストール
最近のハイエンドビデオカードは、ボードのサイズが長くなってきており、コンパクトなPCケースでは装着できない場合もあります。
Radeon HD4850ビデオカードは、まだましと思っていましたが、Sapphireの「TOXIC HD4850 512MB」は6pin電源コネクタ部を含めると24cmぐらいの長さ(本体ボード長23.6cm)があります。
Leadtekの「WinFast PX 8600GTS」のボード長が18.7cmですから随分大きく感じますが、HDDに当たらずスペース的に納まれば、配線に気をつけて普通に取り付けることができます。
右の画像は、PCケースに取り付けた状態ですが、ほぼマザーボードの幅と同じです。
ビデオカードがPCケース内の空間を2分する壁になります。
マザーボードのASUS P5K Deluxe/WiFi-APのPCI Expressx16スロットの位置は、スロットの上から3段目となります。
大型のファンのため隣接スロットが使用できない上に、さらにその隣のスロットも空けて置いた方が無難です。
なお今回、これまで装着していた古いアナログのビデオキャプチャカードは取り外しました。マザーボードのビデオカードスロットの位置にもよりますが、大型のクーラーを採用するビデオカードを使うときは、周辺のPCIスロットが犠牲になることは止むを得ないでしょう。
通常ドライバは、VistaをインストールしたりXPを再インストールしたりするときは、ベンダーサイトから最新のドライバをダウンロードしてインストールしていますが、Radeon HD4850ビデオカードは発売されてから日が経ってないため、ビデオカードの付属ディスクからデュアルブート環境のVistaとXP、それぞれ取り敢えずインストールしました。
RadeonのドライバCatalystは、発売当初は完成度が低く新しいCatalystがリリースされたら変えた方が良いようで、AMD-ATIのサイトを確認してみると、8月20日にCatalyst8.8がリリースされた直後でした。
Catalyst8.8は英語版のみリリースされていましたが、変更することとして、セオリーどおり前のバージョンをアンインストールしてCatalyst8.8をインストールし直しました。その結果、ほとんどのベンチマークソフトにおいて明らかにスコアが向上しており、やはり新しいバージョンのCatalystを使ったほうが良いということでしょう。
2 動作検証・ベンチマーク
2-1 動作検証・Vistaのパフォーマンス評価
Windows Vistaのパフォーマンス評価は、Radeon HD4850ビデオカードに換装する前は、ゲーム用グラフィックスのみ5.6点で、他の項目は全て5.9点でした。
ビデオカードを換装した結果は、右の画像のように、全項目5.9点で、基本スコアも5.9点です。
Vistaのパフォーマンス評価では、最高得点が5.9点であり、今後パーツをアップグレードしても、これ以上は尺度とはなりません。
ゆえに、パーツをアップグレードしたときは、どの程度性能がアップしたか知るために、ベンチマークソフトで確認することなります。
このVistaのパフォーマンス評価は、CPU、メモリー、HDD、ビデオカードの性能を基にスコア化しており、もともとVistaの推奨要件を確認するためのものです。
最初にVistaのRC版をインストールしたときは、Core2 Duo E6600、U-MAX Castor LoDDR2-512-800(DDR2-800の512MB)×2枚、RADEON X1600XT、Seagate ST3200820ASで組んでいましたが、その構成でパフォーマンス評価は、Windows Aeroのデスクトップ パフォーマンスのみ5.9点で、他の項目は4.5点〜5.4点でした。
以降メモリーが4.5点と一番弱いということでまず増設し、CPU、メモリー、HDDの交換、そして今回のビデオカードの換装で、これ以上あり得ないスコアとなって、このまま当面は使えそうという状況です。
次にビデオカードの換装で、どの程度PCケース内温度が上昇しているかが気になるところです。
今年の夏は記録的に暑く、ビデオカードを換装した時点でも残暑厳しく平年では真夏真っ盛りという感じであり、エアコンを使用していても半日パソコンを稼動したままにするとデスク周りが暑くなって、アイドル状態でも明らかにファン騒音が大きくなったと体感できます。
たくましくファンがブン回って安定して使用できることは心強いのですが、うるさいと思うかどうかは別の問題です。まず文字が浮かび上がる光るファンThermaltake製 iFlash Miniを見ると、温度は36℃と表示されており、1〜2℃ぐらい高くなった程度でそれ程の上昇ではありません。
次に、BIOSのHardwareMoniterで確認すると、CPU温度54〜55℃、M/B温度38℃、CPUファン3154〜3341RPM、ケースファン2343〜2481RPMといったところで、温度は低い方でしょう。
またWindowsXP上で、ASUSのPC PROBEU(右の画像)で確認すると、CPU温度46〜48℃、M/B温度38℃、CPUファン3040〜3245RPM、ケースファン2410〜2556RPMとなっており、もちろん警告ログはありません。
こうした温度測定やファン回転数のモニタは、測定する方法、測定するときの状態によって結果が異なり、細かな数値を気にしても意味がないのですが、LeadtekのWinFast PX 8600GTSを使用していたときと比べると、他は同じ環境なので状況変化と改善策が想定できます。
LeadtekのWinFast PX 8600GTSでは、HardwareMoniterで、CPU温度51〜53℃、M/B温度37℃、CPUファン2576〜2700RPM、ケースファン2343〜2636RPMであり、ASUSのPC PROBEUで、CPU温度42〜44℃、M/B温度36〜37℃、CPUファン2463〜2636RPM、ケースファン2481〜2556RPMです。
HardwareMoniterとPC PROBEUでは、CPU温度のみ測定結果の乖離が大きいのですが、ビデオカードの交換前後を比べた差は同じぐらいであり、CPU温度で3〜4℃上昇、マザーボード温度で1〜2℃上昇しています。
またファンの回転数は、右上の画像のASUSのPC PROBEUの結果でも明らかなように、ケースファンの方は、いずれも常態では2481RPMとほとんど変化がなく、むしろCPUファンが600RPMぐらい回転数が上昇しており、少し意外な結果となっています。
マザーボード温度よりCPU温度の方が上昇しているため、CPUファンの回転数が上がっても不思議ではないのですが、そもそもCPUを換装したわけではないので、ケース内温度が上昇しCPUファンよりケースファンの回転数が上昇する方が理屈に合っています。
ケースファンはPCケース付属のものでスペックが確認できませんが最大回転数に近く限界で、CPUファンの方が温度の上昇に敏感ということもありそうですが、ビデオカードの換装でケース内の中でもCPU周辺により熱気が集まっているようです。
一般的には、CPUファンより大口径の静音ケースファンの方が騒音レベルがはるかに低く、むしろ高負荷時にケースファンの回転数が上がりケース内温度を下げて、CPUファンの回転数の上昇を抑制した方が静かになる可能性が高いのでしょうが、いずれにしても、このCPUファンの回転数の上昇と、おそらく電源ファンの回転数も上昇していることがうるさくなったと感じた主因でしょう。
つまり、CPUクーラーの換装や電源ユニットの交換も対策の一つですが、ある程度長時間使用し続けた状態でうるさいため、換気が十分ではないと想定され、ケース内温度を下げる工夫の方が本質的な解決策でしょう。
そこで外排気タイプのビデオカードが良かったのではと思われますが、実はそうとも限らず、パソコン本体の置き場所が机の下と熱が逃げにくい位置にあり、背面からケース外に排出された熱気がとどこおり、再度吸気口から入って熱が循環してしまうことが大きな原因の一つであり、その点は外排気タイプでも同じことです。
特にCPU周りが熱いのは、側面パネルのCPUに近い位置に吸気口があり熱気が入ってくること、ビデオカードの熱は電源ファンと背面ケースファンに向かってCPU周りを流れることが問題でしょうが、取り敢えずは机の位置をずらして後ろから熱気が逃がし、場合によってはケースファンの交換・増設によりエアフローを強化することで改善できそうです。
エアフローの強化の方法は、背面ケースファンを交換するか、フロントケースファンを増設するか、ファンコンを付けてケースファンをコントロールするか、他にもいろいろ方法がありそうですが、元々静かなパソコンがクアッドコアCPUの使用とビデオカードの換装で少しだけうるさくなって気になるというレベルですから時間をかけて考えれば良いでしょう。
夏場では、冷房をかけた部屋でもパソコンのある机の下が暑いのも気になりますが、気温の低い冬場であれば、足元が暖かくて良いぐらいの程度かもしれません。
<2009年1月 追記>
2008年晩秋に、PCケースファン2基の換装、PCIスロット取付クーラー(排気用)、5インチベイHDDクーラー(吸気用)、ファンコントローラの増設など、この開放型PCケースでの静音化対策を行い、「PC冷却ファン騒音の静音化」で解説しており、参考としてください。
2-2 WindowsXPでのベンチマーク
パソコンのTOTAL性能は、まずCPU、次いでメモリー、HDDが高速であることが重要ですが、グラフィックス性能はビデオカードの描画能力に大きく左右されます。
パソコンのOSがWindowsXPからVistaに移行してきており、Vistaでのベンチマークは後述しますが、かねてからパソコンを組み立てたときは、動作検証を兼ねてベンチマークソフトで確認しており、少し古いパソコンと比較してどの程度性能が向上したかを把握するために、WindowsXP上でのベンチマークソフトの結果を確認しています。
なお、CPUでは、デュアルコアとクアッドコアでは得意・不得意がある上に、同じクアッドコアでも例えばCore2 QuadとPhenomではそれぞれ得意、不得意のタスクがあり、ビデオカードではGeForceとRadeonではゲームによってスコアが良い、悪いの若干の相性のようなものがあるため、異なるアーキテクチャでは一つのベンチマークソフトのみで優劣が解るわけではありません。
しかし、以下のベンチマーク結果は、かつてPentium4 540でセカンドマシンを新たに組み立てたとき以外、つまりメインパソコンを組み直すときは、得意・不得意のレベルを超えて明らかに性能差を体感できるパーツを選択することを原則としており、代々良くなってきていることが確認できます。
HDBENCH V330 | Superπ | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ALL | Integer | Float | Memory RW |
HDD Read |
HDD Write |
104 万桁 |
209 万桁 |
|
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi RADEON HD4850 PC6400 1GBX2 |
165,401 | 755,036 | 763,042 | 341,913 | 94,902 | 89,666 | 18秒 | 43秒 |
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi GeForce8600GTS PC6400 1GBX2 |
160.864 | 755,110 | 762,854 | 327,884 | 88,503 | 72,778 | 18秒 | 43秒 |
Core2 Duo E6600 DG965SSCK RADEON X1600XT PC6400 512MBX2 |
86,130 | 341,420 | 225,368 | 267,058 | 66,796 | 59,568 | 22秒 | 53秒 |
Athlon64 3500+ ASUS A8N-SLI Dx GeForce6600 PC3200 512MBX2 |
64,019 | 112,151 | 131,359 | 163,790 | 55,053 | 52,837 | 37秒 | 1分 26秒 |
Pen4-540 D915GAGL GeForce6600 PC3200 512MBX2 |
67,120 | 161,008 | 184,349 | 207,461 | 60,093 | 53,250 | 42秒 | 1分 42秒 |
Pen4-2.8C ASUS P4P800 RADEON9600 PC3200 512MBX2 |
62,025 | 86,681 | 107,354 | 185,372 | 53,667 | 55,053 | 50秒 | 1分 56秒 |
Pentium4 2.8Cを使用して組み立てたのは2003年8月であり、この時からWindowsXPを使用しています。ベンチマークソフトも時代とともに変わってきていますが、4〜5年前に組み立てたパソコンと比較するためには、当時から使用していてWindowsXPで今も動作するソフトに限られ、まずTOTAL性能を「HDBENCH」と「Superπ」で比べています。
HDBENCHでは、CPUの整数演算(Integer)は、Core2 Quad Q9450のスコアがCore2 DuoE6600の2倍を超え、Pentium4 2.8Cと比べるとなんと10倍近いスコアとなっており、浮動小数点演算(Float)は、Core2 DuoE6600の3倍を超え、Pentium4 2.8Cの7倍を超えており、いずれも予想を上回る好結果であり、特に浮動小数点演算能力は、クアッドコアであるとしても何故デュアルコアの3倍以上と優秀なスコアなのか不思議なぐらいです。
メモリーはCorsairのTWIN2X2048-6400C4が、HDDはWesternDigitalのWD7500AAKSが、ごく普通のものよりパフォーマンスが良いためCore2 Quad Q9450パソコンのスコアが上がっており、Vistaのパフォーマンス評価でもメモリー・HDDともに5.9点と最高得点になったので想定していたとおりの良い結果です。
なお、例えばHDDをCore2 DuoE6600のスコアを測定した同じHDDを指定すると、Core2 Quad Q9450パソコンで計測しても、その時とほぼ同じスコアとなります。
HDBENCHでは、CPU、メモリー、HDDに、グラフィックス性能を含めて総合スコア(ALL)が表示されますが、少し古いHDBENCHで進化の著しいグラフィックス性能を測定することは無理があり、それを含めた総合スコアを比べても意味がないでしょう。今ではHDBENCHはCPU、メモリー、HDDの個別のスコアが参考になる程度でしょう。
Superπは、Core2 Quad Q9450パソコンの104万桁の計算が18秒、209万桁が43秒とCore2 Duo E6600と比べて少しだけ良くなっていますが、クアッドコアによる性能の向上があまり見込めない処理ですから、この程度で妥当でしょう。
3DMARK03 | 3DMARK05 | 3DMARK06 (1280×1024) |
FF XI Bench3 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
3DMarks | 3DMarks | 3DMarks | CPU Score |
High | Low | |
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi RADEON HD4850 |
38,550 | 16,472 | 13,076 | 4,398 | 8,346 | 9,980 |
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi GeForce8600GTS |
− | 11,816 | 6,227 | 4,476 | 8,640 | 10,952 |
Core2 Duo E6600 DG965SSCK RADEON X1600XT |
10,110 | 5,820 | − | − | 6,858 | 9,528 |
Athlon64 3500+ ASUS A8N-SLI Dx GeForce6600 |
5,433 | 2,085 | − | − | 4,256 | 6,448 |
Pentium4-540 D915GAGL GeForce6600 |
4,978 | 1,900 | − | − | 3,867 | 5,864 |
Pentium4-2.8C ASUS P4P800 RADEON9600 |
1,879 | 355 | − | − | 2,007 | 3,096 |
グラフィックス性能は、昔はFinalRealityや3DMARK2001SEで測定していましたが、ビデオカードの新機能の実装とパフォーマンスの向上によりベンチマークソフトとして役不足となる宿命にあり、WindowsXPの時代には、3DMARK03、3DMARK05、3DMARK06とバージョンアップされてきています。
3DMARK03の総合スコア(3DMarks)は、RADEON HD4850が38,550、RADEON X1600XTが10,110ですから、もうこれは比べるというレベルではなく、3DMARK05でも、RADEON HD4850が16,472、GeForce 8600GTSが11,816、RADEON X1600XTが5,820であり、はっきり優劣の差はあっても、RADEON HD4850とGeForce 8600GTSの差は、スコアの数値が尺度とはなりにくくなっています。
ゆえに、このクラスのビデオカードでは、3DMARK06で比較することが妥当でしょうが、同じCore2 Quad Q9450パソコンに装着して、RADEON HD4850が13,076、GeForce 8600GTSが6,227とスコアの差が倍を超えていて、ようやくRADEON HD4850が優秀であることが実感できます。なお、このCPU Scoreの差は逆転していますが、同じCPUでありバラツキでしょう。
FF XI Bench3(ファイナルファンタジー公式ベンチマーク3)も、WindowsXPの時代に使ってきましたが、もはやベンチマークソフトとしての役割を終えたという感じであり、RADEON HD4850とGeForce 8600GTSのスコアが逆転していることに意味がなさそうです。
WindowsXPの時代になって以降のベンチマーク結果と比べるため、少し古いベンチマークソフトを走らせてみましたが、グラフィックス性能を比較するためには、その時代の新しいベンチマークソフトがふさわしく、新しいソフトについてはVistaにインストールして計測し、後述しています。
2-3 WindowsVistaでのベンチマーク
WindowsVistaでは、Vistaのパフォーマンス評価がパソコンの性能を判断する一応の目安となりますが、前述したように、パフォーマンス評価が最高得点であれば、これ以上は尺度とはならず、ベンチマークソフトで性能がどの程度向上したか確認する必要があります。
3DMARK Vantageは、3DMARK06に続くFuturemarkの最新ベンチマークソフトですが、WindowsVista、しかもSP1用のソフトとされています。(SP1を適用していないVista Ultimateで完走しましたが、ここではSP1を適用したVistaで計測しています。)
また動作環境として、DirectX 10対応のビデオカードが必須で、CPUはCore 2 Duo E6600以上、メモリーは2GB以上が推奨とハードルが高く、Core 2 Duo E6600を使用したセカンドマシンでも、RADEON X1600XTビデオカードではDirectX 10に対応していないため実行できません。
また3DMARK Vantageでは、ディスプレイ解像度や描画品質など負荷の異なる4段階のセッティングが選択でき、「Entry」、「Performance」、「High」、「Extreme」で計測が可能となっています。
右の画像は、RADEON HD4850を装着したCore2 Quad Q9450パソコンの3DMARK VantageのPerformanceのスコアであり、3DMark Scoreが P7660とスコアの頭に「P」が付いています。
このようにスコアを一目見て区別できるようになっており、3DMark Scoreの頭に「E」が付くとEntry(解像度1,024×768)、「P」が付くとPerformance(解像度1,280×1,024)、「H」が付くとHigh(解像度1,680×1,050)、「X」が付くとExtreme(解像度1,920×1,200)の結果とすぐに解ります。
ただし、このパソコンのモニタは、解像度1,680×1,050以上をサポートしていないため、「Extreme」と「High」での計測は不可能であり、最も一般的に使われている「Performance」と、低負荷の「Entry」で計測しています。
3DMARK Vantage | 3DMARK06 (1280×1024) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
3DMarks | GPU Score |
CPU Score |
3DMarks | SM2.0 | SM3.0 | CPU Score |
|
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi RADEON HD4850 |
E 20,246 | 28,272 | 10,934 | 12,763 | 4,890 | 5,868 | 3,961 |
P 7,660 | 6,975 | 10,855 | |||||
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi GeForce8600GTS |
E 8,328 | 7,737 | 10,804 | 6,303 | 2,455 | 2,281 | 3,976 |
P 1,745 | 1,363 | 10,879 | |||||
Core2 Duo E6600 DG965SSCK RADEON X1600XT |
− | − | − | 2,539 | 935 | 930 | 2,042 |
Core2 Quad Q9450パソコンでRADEON HD4850を装着した3DMARK VantageのEntryのスコアは、3DMarkスコアが E 20,246、GPUスコアが 28,272と、同じパソコンにGeForce8600GTSを装着したときと比べると、もちろんCPUスコアは同じぐらいですが、3DMarkスコアが2.4倍、GPUスコアが3.65倍を超えるスコアへと大幅に向上しています。
Performanceのスコアでは、RADEON HD4850で、3DMarkスコアがP 7,660、GPUスコアが 6,975であり、GeForce8600GTSと比べて、3DMarkスコアが4倍、GPUスコアが5倍となっており、PerformanceとEntryでは、Performanceの方がビデオカードを換装した効果が大きく表れていて、RADEON HD4850が高負荷時に強いことを示しています。
現時点では残念ながらこれ以上の高解像度で試せませんが、パソコン誌系サイトのテストレポートでは高負荷時に落ち込みが少ないことが確認されており、これがRADEON HD4800シリーズの魅力です。
RADEON HD4850ではPerformanceで計測しても高スコアであり、Entryは、その名のとおり、新しいDirectX 10対応のエントリー向けのValueクラスのビデオカードやオンボードグラフィックス用のベンチマークテストでしょう。
3DMARK06では、XPだけではなくVistaでも計測しましたが、Core2 Quad Q9450パソコンでRADEON HD4850を装着したVistaでの3DMarkスコアは 12,763と、GeForce8600GTSと比べてほぼ2倍であり、XPで計測したときより、わずかに低いものの似たようなものです。
3DMARK06のCPUスコアは、Core2 Quad Q9450がCore2 Duo E6600の2倍近いスコアとなっており、クアッドコアであることのパフォーマンス向上がスコアに反映されています。
なお、CPU等のハードウェア構成が異なりますので一概には言えませんが、このベンチマーク結果は、パソコン誌系サイトのテストレポートより、RADEON HD4850のオーバークロック版であるため若干良いスコアとなっています。
LOST PLANET |
Monster Hunter Frontier |
三國志 Online |
Gundam Tactics Online |
A-Train8 Bench |
|
---|---|---|---|---|---|
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi RADEON HD4850 |
SNOW 84fps CAVE 81fps |
10,180 | 標準 3,818 高 3,404 |
23.979 | 60fps |
Core2 Quad Q9450 ASUS P5K Dx/WiFi GeForce8600GTS |
SNOW 32fps CAVE 40fps |
2,762 | 標準 3,143 高 2,103 |
15.684 | 60fps |
Core2 Duo E6600 DG965SSCK RADEON X1600XT |
SNOW 13fps CAVE 13fps |
1,072 | 標準 2,471 高 1,049 |
13.034 | 54fps |
現実に3Dゲームでのパフォーマンスを確認するために、最近のゲームで動作確認などのために公開されているベンチマークソフトを試してみました。
CAPCOMのLOST PLANET EXTREME CONDITIONのPERFORMANCE TEST(DirectX10用)では、Core2 Quad Q9450パソコンにRADEON HD4850装着時に、解像度1152×864での平均フレームレートがSNOW 84fps、CAVE 81fpsと、GeForce8600GTS装着時の2〜2.6倍向上しており、あまりRADEONが得意ではないと言われているゲームですが良い結果です。
LOST PLANETは、パソコン誌系のテストレポートと比べると、今回の測定は解像度が少し低いとしても結果が良すぎるような気もしますが、3DMARK Vantageのスコアも良いことから、元々RADEON HD4850はDirectX10環境では強いという素質の良さが最新のドライバの適用によって現れてきているようです。
同じCAPCOMのMonster Hunter Frontierベンチマークソフトは、RADEON HD4850装着時に、スコア10,180と、GeForce8600GTS装着時と比べて3.6倍以上であり、まさに桁違いのパフォーマンスを発揮しています。
コーエーの三國志Onlineベンチマークは、RADEON HD4850装着時に、標準計測スコア3,818、高グラフィック計測スコア3,404と、高グラフィック計測でのスコアの落ち込みが少なく、GeForce8600GTS装着時と比べて、高グラフィック計測では1.6倍強と差が開いており、RADEON HD4850は高負荷のときに強いことを裏付けています。
バンダイナムコゲームズのGundam Tactics Online Benchmarkは、RADEON HD4850装着時に、スコア23.979と、GeForce8600GTS装着時と比べて1.5倍程度スコアが伸びています。
ARTDINKのA-Train8 Benchmark Test Programは、RADEON HD4850装着時もGeForce8600GTS装着時も、平均フレームレートが60fpsと全く同じです。もちろん両方ともゲームをPlayするために問題ない性能であり、こうしたゲームでは、ミドルクラスのビデオカードでも十分楽しめるゲームですが、ベンチマークソフトとしてはミドルクラス以下のビデオカードでないと、その役割を果たせないのでしょう。
LOST PLANETとMonster Hunterは、ハイエンドGPUのパフォーマンスが活かせるゲームですが、三國志OnlineとGundam Tactics Onlineは、新しいミドルクラスのビデオカードで十分楽しめ、そしてA-Train8やファイナルファンタジーのようにハードルが低いゲームも数多くあります。
ましてや一部のウルトラハイエンドビデオカードでなければPLAYできないゲームは、ゲームメーカーとしてもターゲット層が限られるため、RADEON HD4850のパフォーマンスであれば現在市販されている全てのゲームソフトが十分楽しめます。
高性能なGPUは消費電力が高く、発熱を抑えてグラフィックス性能を向上させることが極めて難しくなってきており、今後はRADEON HD4850と同程度の100Wクラスの消費電力でパフォーマンスが大幅に上回るGPUの開発には少し期間がかかりそうです。
CPUと同じように、製造プロセスの微細化だけでは発熱の壁を越えていくことは難しく、今回購入したRADEON HD4850ビデオカードは、DirectX10環境の新しいソフトや高負荷時に強いので、想定以上に長い期間使用することができそうです。
2008年5月の連休中に、Core2 Quad Q9450を使い組み直したメインパソコンについて詳しくは「Core2 Quad PC自作」で説明していますので参照してください。