1-1 ネットワークの基礎
1-2 ネットワーク接続の設定
1-3 ワイヤレスネットワーク接続の設定
1-4 ユーザーアカウント・パスワードの設定
1-5 ワークグループへの参加
1-6 共有ファイル・フォルダの設定
1-7 共有フォルダの利用
2 ファイルの共有ができないときの確認事項
2-1 ファイル共有の設定のトラブル
2-2 ネットワーク接続のトラブル
3 プリンタの共有のための設定
3-1 プリンタの共有の方法
3-2 プリンタ共有のためのWindowsXPの設定
3-3 印刷できないときの確認事項
1 ファイルの共有のための設定
1-1 ネットワークの基礎
LAN(ローカルエリアネットワーク)は、企業内や組織内の限られた範囲のコンピュータを接続するネットワークであり、反対にWAN(ワイドエリアネットワーク)は広く外部に開放されているネットワークです。
ホームユースで複数台のパソコンを使用している場合は、一般的にはルータを使用して家庭内LANを組み、ルータを経由して世界規模のWANであるインターネットに接続することで、家の中のどのパソコンでもインターネットが利用できます。
IPアドレスの役割
ネットワークでは、固有のパソコンが特定できないと通信できないため、住所であるIPアドレスを持っています。
このIPアドレスは大きく分けて2種類あり、WANで通用するグローバルIPアドレスとLAN内部でパソコンを区別するプライベートIPアドレスとあります。つまりグローバルIPアドレスは住所、プライベートIPアドレスは部屋番号のような役割を果たしています。
上の図のブロードバンドルータのWAN側は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)から一つのグローバルIPアドレスが割り振られています。LAN側は、ブロードバンドルータのDHCPサーバ機能により、ブロードバンドルータ自身と各パソコンのネットワーク機器にプライベートIPアドレスが割り振られており、LAN内のパソコンは、このプライベートIPアドレスで識別できます。
ブロードバンドルータの必要性
インターネットに接続するためには、プロバイダが指定するADSLモデムやFTTH回線終端装置が必要であり、プロバイダが指定するこうした通信機器にルータ機能が備わっていない場合は、家庭内LANを組むために別途ブロードバンドルータが必要です。
なおルータは、最近ブロードバンドルータと表記されていますが、基本的な機能が大きく変わったのではなく、高速なブロードバンド回線でもボトルネックとならないで使えるスループットが確保されている高速ルータという主旨です。しかし現実には、無線ブロードバンドルータではボトルネックとなる場合があります。
このブロードバンドルータが、家庭内LANのGateway(入り口)であり、WANとLANの境となります。またブロードバンドルータは、通常DHCPサーバ機能があり、LANで接続するパソコンにプライベートIPアドレスを割り当てます。
無線ブロードバンドルータで無線LANを構築
もし有線LANであれば、ブロードバンドルータのWAN側ポートにADSLモデムからのケーブルを繋ぎ、LAN側ポートにパソコンに接続するLANケーブルを接続しますが、無線LANでは無線ブロードバンドルータを使用し、WAN側ポートのみケーブルを接続し、LAN側はワイヤレスネットワークとなります。
無線LANは、煩わしい屋内配線を無くすことができるため、WindowsXP時代に入って急速に普及し現在は主流となりましたが、セキュリティ面では、ウィルス感染や不正侵入というパソコンのセキュリティ問題にプラスして、無線の傍受や侵入など無線LAN特有のセキュリティ対策が必要となります。このあたりも最近は簡単に設定できる機器が多くなっています。
そして、ブロードバンドルータまたは無線ブロードバンドルータを家庭内LANのGatewayとして、LAN内部のパソコンに重複しないプライベートIPアドレスが割り当てられていて、どのパソコンからも外部のインターネットが利用できるとともに、LAN内部のパソコン間でもファイルの共有ができる状態になっており、利用しないのは宝の持ち腐れです。
実は以上の説明は、この後の説明を理解していただくために、ネットワークの基礎知識として最も重要なことのみ記述しており、また現実的に割り切って説明を省いています。
例えば、WindowsXPではルータが無くてもLANは組めるし、このLANのインターネットへの接続もパソコンをルータ替わりに使うことも可能ですが、普通は一日中パソコンの電源を入れてルータ替わりにはしてません。
また、無線ブロードバンドルータではなく無線アクセスポイントを使うこともありますが、機器のことはMy Free-style PCサイト内のネットワークコーナーの「無線LAN利用ガイド」をご覧ください。
1-2 ネットワーク接続の設定
WindowsXPの設定の中でも、ネットワーク接続の設定方法は少し難しいかもしれません。
しかしブロードバンドルータの設定が完了していれば、優先LANであればケーブルを接続するだけで、無線LANではワイヤレスネットワークにワンクリックで接続するだけで繋がることもあります。
また現実には、プロバイダの提供する接続ツールや通信機器に付属するユーティリティソフトを利用することで簡単に設定できることが多いのでしょうが、個別に設定する場合の手順と確認するポイントは次のとおりです。
以下の説明で使用している画像は、WindowsXP
SP2 Home Editionで表示される画面ですから、SP1など他のバージョンやWindowsXP
Professionalでは少し異なることがあります。
まず「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット接続」→「ネットワーク接続」と順にクリックし、左の「ネットワーク接続」の画面が設定の入り口となります。 「ネットワーク接続」の画面には、パソコンに存在するネットワークアダプタの数のアイコンが表示されています。 このアイコンの数は、パソコンにLANアダプタが一つあれば「ローカルエリア接続」アイコンが一つあります。 複数のアダプタがあれば、その数のアイコンがあり、また無線LANアダプタが接続されていれば「ワイヤレスネットワーク接続」アイコンも表示されています。 上から3つ目の「ローカルエリア接続 2」は、LANケーブルが接続されていません。 |
下の画像は同じ「ネットワーク接続」の画面ですが、メニューバーの「表示」を「詳細」に変更するとこの画面となります。 詳細画面で見れば、デバイス名欄でアダプタが何か解り、ワイヤレスネットワークはコレガの無線LANアダプタ「CG-WLUSB2GS」が確認できます。 |
このうち上から2番目のLANケーブルが接続されている「ローカルエリア接続」アイコンを右クリックし、「プロパティ」をクリックすると右の画面が表示されます。 上段、接続方法の欄に、「NVIDIA nForce Networking Controler」と表示されており、マザーボードのLANコネクタに接続しているケーブルでのネットワークの設定を表しています。 右の画面で、中段のインターネットプロトコル(TCP/IP)を選択して、プロパティをクリックし表示されるのが、この下の画面です。 このTCP/IPの設定が、ネットワーク接続の核心部分であり、このパソコンのプライベートIPアドレス、ゲートウェイのIPアドレス、DNSサーバーのIPアドレスなどを指定します。 DNSサーバーは、ドメイン名(例えばwww.google.co.jp)を数値番号であるグローバルIPアドレスに置き換える辞書のようなもので、住所を郵便番号に変換する対応表ようなものです。 右の画面では、「IPアドレスを自動的に取得する」と「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」にチェックが入っています。 IPアドレスは、通常ブロードバンドルータがゲートウェイである自身のIPアドレスと、LAN内のパソコンのIPアドレスを割り当てるため、パソコン側ではIPアドレスは自動的に取得することが普通です。 DNSサーバーは、プロバイダがアドレスを入力するように指定してなければ、これも自動的に取得するで良いのです。 割り当てられているプライベートIPアドレスの確認は、「ローカルエリア接続」アイコンを右クリックして、「状態」をクリックし、「サポート」タブをクリックした右の画面で解ります。 アドレスは、ブロードバンドルータのDHCPによる割り当て、このパソコン(正確にはアダプタ)のIPアドレスは、「192.168.1.23」、デフォルトゲートウェイは「192.168.1.1」と割り当てられています。 サブネットマスクは、接続台数が少ないLANのため気を使う必要は無いのですが、普通に「255.255.255.0」と自動で設定されています。 |
もちろんプライベートIPアドレスやDNSサーバーを手動で指定することも可能ですし、また他には、ネットワークアダプタのドライバの確認や、詳細設定のWindowsファイアーウォールなどの設定の変更も可能ですが、一般的にはその必要は無いでしょう。
インターネット接続の設定関係は、「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット接続」→「インターネットオプション」と順にクリックし、表示される「インターネットのプロパティ」の「接続」タブをクリックして確認できます。
ブロードバンドの常時接続であれば、この「接続」タブ中段の「ダイアルしない」にチェックが入っているか、選べない状態になっていること、右下の「LANの設定」ボタンをクリックして一般的には「設定を自動的に検出する」のチェックが入っているかどうか確認します。しかしインターネット接続設定は、プロバイダの指定どおりに設定する必要があります。
1-3 ワイヤレスネットワーク接続の設定
「ネットワーク接続」の画面で、無線LANアダプタが接続されている「ワイヤレスネットワーク接続」アイコンを右クリックし、「プロパティ」をクリックすると下の画面が表示されます。
ワイヤレスネットワーク接続のプロパティの「全般」タブで表示される事項は、有線の「ローカルエリア接続」のプロパティと同じですから上の説明に目を通してください。
右の画像は、「ワイヤレスネットワーク」タブをクリックすると表示される画面です。 上段の利用可能なネットワークの「ワイヤレスネットワーク」の表示をクリックすると、送受信できるワイヤレスネットワーク(無線LAN)が表示され、このネットワークへの接続と切断を切り替えることができます。 普通は無線ブロードバンドルータによるネットワークが一つ表示されていますが、近くに別の無線アクセスポイントがあれば複数のネットワークが表示されます。 下段の優先ネットワークの枠内に表示されているネットワークを選択して「プロパティ」をクリックすると、そのネットワークのプロパティが表示されます。 |
ネットワークのプロパティの「アソシエーション」(関連付け)タブでは、ネットワーク名の下に、無線セキュリティの設定のための「ワイヤレスネットワークキー(WEPキー)」を指定し入力する欄があり、無線ブロードバンドルータと通信できるように入力しなければなりません。
ここが無線LANの難しいところであり、無線LAN機器のメーカーでは、「らくらくインストール」、「JumpStart」など簡単設定を採用しており、無線ブロードバンドルータと無線LANアダプタが簡単設定に対応していれば利用するとよいでしょう。
個別で設定する場合のポイントは、無線ネットワークに接続を許す無線LANアダプタのアクセス制限の問題と暗号化キーの設定の問題です。
無線アクセス制限は、新しい無線ブロードバンドルータでは、登録した無線LANアダプタのみ接続を許すMACアドレスフィルタリングと、ESSIDがANYや空白の無線LANアダプタの接続を拒否するステルスAPを採用しており、無線ブロードバンドルータの設定画面で行います。
暗号化方式は、最近の機器はWPA(AES、TKIP)、WPA2方式をサポートしている機種もありますが、従来からWEPキーを採用する機器が多く、新旧機器が混在する環境ではWEPキーを指定することになります。
同じ無線ネットワークに接続する機器は、同じESSIDと同じWEPキーを設定する必要があり、いずれも使用している機器のマニュアルを見て設定してください。
1-4 ユーザーアカウント・パスワードの設定
WindowsXPでは、一台のパソコンを複数の人が使い易いように、ユーザーアカウントを設け個人の設定を反映できるようになっています。
そして、それぞれのユーザーアカウントを選びログオンできますが、ユーザーアカウントにパスワードを付けないと、ネットワーク上の他のパソコンの共有フォルダにアクセスできません。
パスワードを付けると面倒なので普段パスワードなしで利用していて、いざ他のパソコンの共有フォルダにアクセスしようと思っても、できなくて慌てることは慣れていてもあることでしょう。
既存のユーザーアカウントにパスワードを設定するのは、アカウントの変更で可能です。 「コントロールパネル」→「ユーザーアカウント」と順にクリックし、変更するアカウントを選びクリックすると左の画面が表示されます。 上から2つ目の「パスワードを作成する」をクリックすると、下の画面が表示されます。 なおパスワード付きのユーザーアカウントを選んだ場合は、「パスワードを作成する」ではなく「パスワードを変更する」となっています。 左の画面は、パスワードを入力する画面です。 新しいパスワードを、確認も含めて2回入力し、パスワードのヒントを入力します。 その後、「パスワードの作成ボタン」を押せば完了と簡単です。 しかしパスワードは忘れてしまうと困まります。そのためパスワードのヒントに、自分だけ知っている思い出すための語句を入力します。 例えばヒントに「好きなウィスキー」と記載し、パスワードに「chivasregal」とこんな感じです。もっと難しいのは「ペットの好きなおもちゃ」でしょうが家族には解ります。 |
「パスワードの作成ボタン」を押した後、ユーザーアカウントの変更画面に戻りますが、今パスワードを設定したため、上から2つ目は「パスワードを変更する」に変わっています。
WindowsXPでは、セキュリティ面が強化され、パスワードを付したユーザーアカウントでログインしないと、ネットワーク上の他のコンピュータの共有ファイルにアクセスできないため、共有ファイルを使いたいのであれば、ユーザーアカウントにパスワードを付けざるを得ません。
1-5 ワークグループへの参加
WindowsXPでは、同じワークグループ内のパソコンでファイルやフォルダを共有することを原則としています。
もし、「マイネットワーク」の画面の左側の欄の「ワークグループのコンピュータを表示する」をクリックしても、ネットワーク内の他のパソコンが表示されない場合は、同じワークグループに属しているか確認してください。
ワークグループへの参加は、「スタート」→「コントロールパネル」→「パフォーマンスとメンテナンス」→「システム」とクリックして表示される「システムのプロパティ」画面の「コンピュータ名」タブをクリックすると表示される右の画面で確認できます。 この中段の「フルコンピュータ名」とその下の「ワークグループ」欄に。 「ワークグループ」名が既存のワークグループと異なる場合は、その下の「変更」ボタンをクリックして、表示される画面でワークグループ名を変更できます。 |
なお、ワークグループ名を変更しても、ネットワーク内の他のパソコンが表示されない場合は、セキュリティーソフトをOFFにして確認してください。
それでも他のパソコンが表示されない場合は、「スタート」→「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット接続」→「ネットワークセットアップウィザード」とクリックして、ネットワークセットアップウィザードを開始し再設定してください。
なおセットアップウィザードの手順中、接続方法は「住宅用ゲートウェイ経由またはネットワークの別のコンピュータ経由でインターネットに接続している」を選ぶこと、ワークグループ名を入力する欄で正しいネットワーク名となっているかを確認すること、ファイルとプリンタの共有欄では「ファイルとプリンタの共有を有効にする」にチェックが入っていることに注意してください。
1-6 共有ファイル・フォルダの設定
一般的には、フォルダ単位で共有にすることが多いでしょう。
マイコンピュータを開くと、「共有ドキュメント」という名の特殊なフォルダがあり、標準では最初から共有する設定になっています。
この「共有ドキュメント」に、他のパソコンで使いたいファイルやフォルダをコピーすると、最も簡単に共有することができます。
しかし一々コピーすることを省くため、普通のフォルダも共有にすることができます。
共有したいフォルダを右クリックし「プロパティ」をクリックして開き、「共有」タブをクリックすると下の画面が表示されます。
この中段の「ネットワーク上での共有とセキュリティ」の欄の「ネットワーク上でこのフォルダを共有する」のチェックボックスをチェックすると共有できます。 共有名欄には、フォルダ名が表示されますが、ネットワーク上で解りやすくするために必要があれば変更します。(変更しても元のフォルダ名は変わりません。) なお既に共有フォルダに同名の名前があればブランクとなっており共有名の入力が必要です。 「ネットワークユーザーによるファイルの変更を許可する」のチェックボックスは、変更されては困るのであればチェックしないでください。 その後、「適用」または「OK」をクリックすれば完了です。 |
フォルダを共有にすると、下の画面のように、フォルダを手で持っているようなアイコンに変わります。
上の左の画像は、マイドキュメントの「asugi23のドキュメント」のフォルダです。
実はマイドキュメントのフォルダは、システムドライブの「Documents
and Settings」フォルダ内にある少し特殊なフォルダであり、本来は名前のとおりプライベートな使い方をするフォルダです。
特にWindowsXP Home Editionでは、ログオンしたユーザーが自分のマイドキュメントのみプライベートにできるものです。具体的には、ユーザーアカウントasugi23でログオンすると「asugi23のドキュメント」フォルダのみプロパティで「このフォルダをプライベートにする」にチェックすることができます。
そのため共有にすることは本来の趣旨に合ってないのですが、例えばデジカメの写真画像などアプリケーションの初期設定では、マイドキュメント内のフォルダを保存用フォルダとして使うことが多く、他のパソコンでデジカメ画像を使いたいときに共有になっていると便利です。
なおWindowsXP Professionalでは、全てのフォルダが「このフォルダをプライベートにする」にチェックして使うことができます。
上の右の画像は、一般のドライブ内の普通のフォルダです。
普通のフォルダでは、特に留意しなければならないことはなく、必要に応じて共有にすれば良いでしょう。
ドライブの共有設定
ドライブの共有もフォルダの共有と同じようにできます。
ドライブを選択して右クリックし、「プロパティ」をクリックして開き、「共有」タブをクリックすると、「危険を認識した上でドライブのルートを共有する場合はここをクリックしてください」と表示されます。
この表示をクリックすれば、下の左の画面のように、フォルダの共有と同じ画面で共有の設定が可能です。
危険であっても、家庭内のパソコンでは他人が使うことはないでしょうし、ブロードバンドルータを使用していればファイアーウォール機能が備わっており、容易にLAN内には侵入できないため、ドライブ内のデータの整理やファイルを探さなければならないときに一時的に共有すると便利です。
なお長期間にわたって共有ドライブのまま使用することは避けた方が良いでしょうし、システムドライブの場合は、フォルダ単位で共有した方が良いでしょう。
上の左の画面では、E:ドライブについて「ネットワーク上でこのフォルダを共有する」のチェックボックスをチェックして共有してます。
上の右の画面は、ドライブを共有に設定した結果であり、E:ドライブとF:ドライブのアイコンに手のマークが付いており、共有ドライブになっています。
1-7 共有フォルダの利用
共有フォルダへのアクセスは難しくはありません。
ネットワーク上のどのパソコンからでも、「スタート」メニューの「マイネットワーク」をクリックすると、下の画面のようにネットワーク上の全ての共有フォルダが表示されます。
上の例では、「MAIN1F」と「pen4 540」の2台のパソコンがネットワークに接続されており、「MAIN1F」の共有フォルダ4つと、「pen4
540」の共有フォルダ2つが表示されています。
うち画面の左上に、「SharedDocs-MAIN1F」という名のフォルダがあります。これは前述のフォルダの共有設定で最初に説明した「MAIN1F」パソコンの特殊な「共有フォルダ」です。
他のパソコンの共有フォルダのファイルを見るだけであれば、そのまま手元のパソコンの通常の操作と同じようにフォルダを開いて見れば良いのですが、何か作業が必要であれば、必要なフォルダまたはファイルを今使っているパソコンの適当なフォルダに一旦コピーして取り込んで使用すると良いでしょう。
上の「マイネットワーク」の画面の左側の欄の「ワークグループのコンピュータを表示する」をクリックすると、下の画面のようにネットワークに接続されているパソコンが表示されます。
右の画面では「MAIN1F」と「pen4
540」の2台のパソコンが表示されていますが、実はもう1台2階で使用しているパソコンも普段ネットワークに接続しています。 しかしネットワーク上のパソコンでも電源が入ってないと表示されません。 今「pen4 540」で作業をしており、「MAIN1F」のパソコンを開いて共有フォルダを表示させたのが下の画面です。 |
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左の画面では、目的のパソコン「MAIN1F」の共有フォルダのみ表示されています。 よく見ると共有フォルダの名前の後にパソコン名が付いてないためスッキリしています。 その替わりに、最上段のタイトルバーとアドレスバーに「MAIN1F」と表示され、どのパソコンの共有フォルダか解ります。 |
つまり、今使っているパソコン内のフォルダを一々マイネットワークから開く必要はないし、またネットワーク上のパソコンが3台、4台と多くなれば全共有フォルダから選ぶのは大変です。
そのため一般的には、ワークグループのコンピュータをまず表示させて、目的のパソコンを選び、そのパソコンの共有フォルダを表示させ、必要なファイルを作業中のパソコンにコピーして取り込むと便利でしょう。
なお上の例では、ドライブは今共有設定してないので表示されていませんが、共有ドライブでも共有フォルダと同じように表示されます。
データ用ドライブを丸ごとネットワーク経由でコピーすることは、バックアップするつもりであれば意味はありますが、時間が掛かるので大変であり、普通はフォルダ単位で必要な部分をコピーします。
個人的には、最近新しい無線ブロードバンドルータを購入したため、ネットワーク経由でドライブを丸ごとコピーする速度の有線と無線の違いや、前のルータとの速度の差を調べることに関心がありますが、暇なときのお楽しみです。
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2 ファイルの共有ができないときの確認事項
2-1 ファイル共有の設定のトラブル
ネットワーク内のどのパソコンからでもインターネットに接続できる状況で、ファイルの共有上のトラブルと、その想定される原因と対応策です。
(1) ネットワーク上の他のパソコンの共有フォルダが表示されない。
→ ログインしたユーザーアカウントにパスワードが設定されていないとなります。
パスワードなしのユーザーアカウントでは共有フォルダは利用できません。
「1-4 ユーザーアカウント・パスワードの設定」を参考にパスワードを付してください。
(2) フォルダをプロパティシートで共有にチェックできない。 上の階層のフォルダの設定が「プライベート」になっている。 → 右の画面の最下段に説明があるように、この説明の「別のフォルダ」をクリックして、そのフォルダの「このフォルダをプライベートにする」のチェックボックスを外してください。 この後、「ネットワーク上でこのフォルダを「共有にする」のチェックボックスがチェックできるようになります。 |
(3) 「SharedDocs-パソコン名」というフォルダがどこにあるのか解らない。
→ 「SharedDocs-パソコン名」は、マイコンピュータを開いて最上段に表示される「共有フォルダ」の共有名です。元のパソコンのシステムドライブ(通常C:ドライブ)の「Documents and Settings」フォルダ内の「All Users」フォルダ内にあります。
(4) ネットワーク上の他のパソコンで、共有ファイルを修正しようと思っても修正できない。
→ 元の保存されているパソコンの共有ファイルの設定で、「ネットワークユーザーによるファイルの変更を許可する」のチェックボックスにチェックが入っていないためです。
しかし一般的には元のファイルの修正は許可しない設定が普通であり、そのパソコンにコピーしてから修正した方が無難です。
(5) 共有フォルダを利用しようとアイコンをクリックしてもアクセス権がないと拒否される。
→ 元のパソコンの保存されている共有フォルダが、既に共有が解除されている可能性がありますので確認してください。
(6) 「ネットワークグループのコンピュータを表示する」をクリックしても何も表示されない。
→ ネットワークに接続されているパソコンが表示されない場合、表示されないパソコンのセキュリティソフトを無効にして試してください。
セキュリティソフトのファイアーウォールの設定の問題が疑わしく、
例えばノートン・インターネット・セキュリティの場合は、ファイアーウォールの設定をOFFにしてみてください。
また「マイコンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」をクリック、「コンピュータ名」タブをクリックして、「変更」をクリックし、コンピュータ名とワークグループ名を変えて試してください。ワークグループ名は、「MSHOME」でなくても任意の名前で良いのですが、ネットワークに属するパソコンは全て同じワークグループ名にする必要があります。
それでも他のパソコンが表示されない場合は、「スタート」→「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット接続」→「ネットワークセットアップウィザード」とクリックして、ネットワークセットアップウィザードを開始し再設定してください。
2-2 ネットワーク接続のトラブル
ネットワーク上の特定のパソコンで、インターネットに接続できない状態で、ファイルの共有ができない場合は、そのパソコンのネットワーク接続が正しく設定されていない可能性が高いでしょう。ネットワーク接続の主なトラブルの症状と、その想定される原因と対応策です。
(1) ネットワーク接続でアダプタのアイコンが表示されない。
→ ネットワークアダプタのドライバが正常にインストールされていない可能性があります。
「マイコンピュータ」を右クリックし「プロパティ」をクリック、「ハードウェア」タブ、「デバイスマネージャ」と順にクリックし、「ネットワークアダプタ」をWクリックして確認してください。
「ネットワークアダプタ」に接続されているアダプタ名が表示されていない場合、アダプタ名に×や!マークが付いている場合、そのアダプタを右クリックし「プロパティ」を開き、正常に動作していると表示されてない場合は、ドライバを削除して入れ直してください。
(2) 「ローカルエリア接続のプロパティ」または「ワイヤレスネットワークのプロパティ」で「インターネットプロトコル(TCP/IP)」が表示されない。
→ 「ローカルエリア接続のプロパティ」または「ワイヤレスネットワークのプロパティ」で「インストール」→「プロトコル」→「追加」と順にクリックし、「TCP/IP」を組み込んでください。
(3) パソコンがプライベートIPアドレスを取得できない。
→ インターネットプロトコル(TCP/IP)のプロパティで、「IPアドレスを自動的に取得する」にチェックが入っているかどうか確認して、とりあえずパソコンの再起動。ブロードバンドルータの電源の入れ直しをしてみてください。
IPアドレスを自動的に取得できないときは、機器のマニュアルを見て特殊な設定が必要でないか確認し、LANアダプタのドライバを入れ直してみてください。
(4) パソコンに有線と無線の両方のアダプタで接続している場合に遅延があるように感じる。
→ 複数のネットワーク接続があるときは、一つを残して他を無効にして確認してみてください。なお有線接続できる無線ブロードバンドルータでは、高速ブロードバンド回線を使用している場合インターネット接続が無線通信速度の方が遅い場合があります。
(5) 無線LANで、今まで使えていたのにネットワークに接続できない。
→ とりあえずパソコンの再起動、無線ブロードバンドルータの電源の入れ直しをしてみてください。その後接続できなければ、「ワイヤレスネットワーク接続」アイコンを右クリックし、「修復」をクリックしてみてください。
(6) 無線LANで、一部のパソコンがネットワークに参加できない。
→ 無線セキュリティの設定は、無線ブロードバンドルータとそのワイヤレスネットワーク上の全てのパソコンの無線LANアダプタを同じ設定にする必要があります。
とりあえずセキュリティ設定が原因で接続できないかどうか確認するために、無線ブロードバンドルータの設定画面で、ESSIDを確認し、データの暗号化を無効にしてください。 パソコンのアダプタ側では、そのESSIDのネットワークが優先ネットワークであることを確認し、その「プロパティ」で左の画面のように、データの暗号化を無効にして接続できるかどうか確認してください。 接続できれば、暗号化キーを再度指定します。無線ブロードバンドルータの設定画面で、その暗号化キーを控えて、再度左の画面で同じ暗号化キーを入力してください。 |
無線LAN機器メーカーの「らくらくインストール」、「JumpStart」など簡単設定ユーティリティは、2004年夏以降の発売機器から対応が進んでいますが、少し古い機器や別メーカーの無線LANアダプタが混在する環境では、個別で設定せざるを得ないことが多いでしょう。無線機器のマニュアルを確認してください。 ネットワーク接続は、正しく設定してあってもトラブルが多く、ビギナーにとっては難しい分野であり、ここでは難しいトラブルには触れていません。 昔からLANアダプタとモデムの相性問題や、WindowsXPのSP2を適用したらトラブルが発生するとか、ルータ側とアダプタ側と双方で原因不明のトラブルが多く、詳しくは、ネットワーク機器のメーカーのサポートページで確認してください。 |
3 プリンタの共有のための設定
3-1 プリンタの共有の方法
家庭用のプリンタは、かつてはプリンタケーブル、最近はUSBケーブルを使ってパソコンに接続されています。そのためプリンタが接続されているパソコンの電源が入っていなければ、印刷することができません。
本来プリンタの共有は、プリンタサ−バを使うかLAN端子のあるネットワークプリンタを使いLANに直接接続して、そのプリンタをLAN内のどのパソコンからでも自由に使えるようすることでしょうが、職場ではそうしていても、ホームユースではプリンタを使って印刷する機会が少ないため、ネットワーク化にこだわる費用はもったいないようなものです。
また最近は家庭用プリンタの価格が安くなって、プリンタサ−バを購入する費用に少し足せば普通のプリンタが購入できます。プリンタの買い替え時期の問題もありますが、もう一台新しいプリンタを購入した方が得策のことも多いでしょう。
幸いWindowsXPの設定で、LAN内の他のパソコンに接続されているプリンタを使うように設定することができます。プリンタが接続されているパソコンの電源も入っている必要がありますが、頻繁に印刷しないので普通は十分でしょうから、ここではWindowsXPのプリンタの共有について説明します。
3-2 プリンタ共有のためのWindowsXPの設定
プリンタが接続されている元のパソコンの設定
まず初めに、プリンタが接続されている元のパソコンのプリンタの設定で、LAN内の他のパソコンから使えるようにプリンタを共有する設定を行います。
WindowsXPのプリンタの設定は、「スタート」→「コントロールパネル」→「プリンタとその他のハードウェア」→「プリンタとFAX」と順にクリックして表示される右の画面が入り口となります。 この画面で表示されているプリンタのアイコンをクリックし選択して、画面左側の「プリンタのタスク」欄の「このプリンタの共有」をクリックすると下の左の画面が表示されます。 なお、このプロパティ画面は、プリンタのアイコンを右クリックし、「プロパティ」をクリック、<「共有」タブをクリックしても表示されます。 |
上の左のプロパティ画面で、「このプリンタを共有する」にチェックを入れ「OK」をクリックすれば設定は完了です。プリンタを共有にすると、上の右の画面のようにフォルダを手で持っているようなプリンタアイコンに変わります。
ネットワーク上の共有プリンタに接続するための設定
次に、プリンタが接続されていないパソコンから、ネットワーク上の共有プリンタに接続するための設定を行います。
前と同様に、「プリンタとFAX」の画面が入り口となります。
プリンタが接続されていないパソコンでは、この画面にプリンタのアイコンがありません。ただし、かつてプリンタを繋いでいたことがあれば、旧プリンタのアイコンを削除していなければ残っています。
以下の設定の前に、共有するプリンタの電源と接続されているパソコンの電源もONにしてください。
「プリンタとFAX」の画面で、画面左側の「プリンタのタスク」欄の最上段「プリンタのインストール」をクリックすると、右の画面の「プリンタの追加ウィザード」が表示されます。 このウィザードでプリンタが追加できます。 このまま「次へ」をクリックすると下の画面が表示されます。 |
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ここで「ネットワークプリンタまたはほかのコンピュータに接続されているプリンタ」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。 なお普通は、「このコンピュータに接続されているローカルプリンタ」のチェックが入っており、共有プリンタではチェックを入れ直します。 |
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右のプリンタの指定の画面で、「プリンタを参照する」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。 Windowsにプリンタの検出を任せるため、プリンタが接続されているパソコンも電源がONになっている必要があります。 |
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上の画面で、「次へ」をクリックした後、プリンタが接続されているネットワーク上のパソコン(この場合MAINPC)をWクリックすると右の画面のようにプリンタが表れます。 このプリンタ(EPSON 850PT)をクリックして選択し、、「次へ」をクリックすると、プリンタドライバが自動的にインストールされます。(ホップアップ画面では「はい」をクリックしてください。) |
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右の「プリンタの追加ウィザード」の完了画面が表示されますので、このまま「完了」をクリックして設定は終了です。 なお、この完了画面で、プリンタの名前の下に、「通常使う はい」となっています。 そのためプリンタの電源が入っていれば、すぐに使うことができます。 |
「プリンタとFAX」の右の画面に戻って、普通のプリンタのアイコンとは少し違うネットワークプリンタのアイコンが表示されています。 他のプリンタが接続されていたり、プリンタドライバがインストールされていれば複数のアイコンが表示されています。 通常使うプリンタのチェックマークが入っていて準備完了と表示されているのが、今設定した共有プリンタです。 |
以上の設定が終了したら、テスト印刷をしてみてください。
パソコン2台とプリンタの電源が入っている必要がありますが、パソコンに直接プリンタケーブルやUSBケーブルで接続されている普通のローカルプリンタと同じように印刷できます。
3-3 印刷できないときの確認事項
まず、プリンタが接続されている元のパソコンと共有プリンタを利用したいパソコンと2台のパソコンがともにWindowsXPのプリンタの設定が正しいかどうか、前述の説明を参考に確認してください。
プリンタの設定が正しければ印刷できるはずです。
しかし印刷できない場合は、共有設定上のトラブルではなく、よくありがちな次の事項を確認してください。
(1) 共有プリンタが通常使うプリンタとなっているか。
「通常使うプリンタ」の指定は、上の「プリンタとFAX」の設定画面で複数のプリンタアイコンが表示されていれば使おうとしている共有プリンタ以外のプリンタが指定されている可能性があります。
前に使っていたプリンタや同じプリンタでも新しいドライバをインストールしていれば、パソコンに繋いでいるプリンタが無くてもプリンタアイコンが残っており、確認して削除してください。
なお別のプリンタが接続されており「通常使うプリンタ」がそのプリンタであっても、印刷のときに共有プリンタを選択して使うことも可能です。しかし、共有プリンタが使えないのであれば、共有プリンタを「通常使うプリンタ」に指定して印刷してみてください。
(2) 有線LANまたは無線LANの接続上のトラブルはないか。
そもそもネットワークの接続が切断されていれば共有プリンタも使えません。特に無線LANの場合は切断トラブルの可能性もあり、インターネットに接続できるかどうか確認し、接続できない状態であれば、上述のネットワーク接続のトラブルを参考に確認してください。
(3) デジカメ写真の印刷は、ユーティリティソフトがインストールされているか。
デジカメ写真の印刷は、EpsonのPhotQuickerなど専用ソフトを使用していることが一般的です。
こうした印刷専用ソフトを利用している場合は、そのソフトを利用したいパソコンにもインストールしないと使えません。
なお、デジカメ写真のEpsonのPhotQuickeでの印刷方法は、「デジタルカメラの使い方」で説明してますので参考としてください。