1 エクセルのバージョンの相違
エクセルはマイクロソフトの製品であり、Excel単体でも発売されていますが、Microsoft Officeに含まれる表計算ソフトであり、Office 2007にExcel 2007、Office 2003にExcel 2003、Office XPにExcel 2002、Office 2000にExcel 2000、Office 97にExcel 97が含まれています。
1995年11月 Windows 95 発売 1998年 7月 Windows 98 発売 2000年 2月 Windows2000 発売 2000年 9月 Windows Me 発売 |
1997年 3月 Office 97 発売 | Excel 97 |
1999年 7月 Office 2000 発売 | Excel 2000 | |
2001年11月 Windows XP 発売 | 2001年 6月 Office XP 発売 | Excel 2002 |
2003年10月 Office 2003 発売 | Excel 2003 | |
2007年 1月 Windows Vista 発売 | 2007年 1月 Office 2007 発売 | Excel 2007 |
Excel2000〜Excel2003までは、バージョンの違いを意識しなくても通常は違和感なく使えます。しかし、Excel2007は新しいファイル形式が採用され機能強化されていますが、インターフェース(画面の構成)が見た目にも変更されていて、以前のバージョンを使用していたユーザーが初めは戸惑うことでしょう。
Excel2000〜Excel2003で作成したファイルはExcel2007で開くことができ、その逆にExcel2007で作成したファイルもMicrosoft Office 互換機能パックをインストールすれば旧バージョンで扱うことができますが、表の作成方法を学ぶときは操作方法が違うために、Excel2007かその前のバージョンなのか意識せざるを得ないことがあります。
「My Free-style PC」サイト内のエクセルの解説ファイルは、Excel 2003以前のバージョンを使われていれば参考になると思いますが、Excel2007を使われていると画面や操作方法が異なるために役に立たない場合があります。
エクセルの中・上級編の解説ファイルに目を通される中・上級者の方は、Excel2007を使われていてもバージョンの相違を気にされないとしても、初級編のファイルで学習される初心者の方は混乱するでしょうから一部だけでもExcel2007バージョン向けの解説ファイルを用意するつもりです。
Excel2007の使い方については、Microsoft Office Onlineサイトの「エクセル 2007 はじめの一歩」で、エクセルの基本画面と用語の説明、起動と終了方法、日本語入力の方法、ファイルの保存方法、表の作成方法など必須知識が解り易く説明されています。
ただし、この「エクセル 2007 はじめの一歩」では、エクセルを使う以前のパソコンの使い方も含めた基礎知識の説明が中心であり、肝心の表の作成方法は、あらかじめ用意されているデザインを使用した簡単な表の作成方法の説明です。
おそらくエクセルを使う上でネックとなることは、もう少しエクセル本来の機能や操作方法でしょうし、計算に使ってこそ表計算ソフトを活用できるため、この「My Free-style PC」サイトでは、新しいオリジナルの計算用の表を創るための実戦的な方法を説明しています。
2 エクセル画面の構成と必須知識
エクセルはWindowsパソコン用のソフトであり、基本的にはWindowsVistaにはExcel 2007が、WindowsXPにはExcel 2002またはExcel 2003が対応しており、エクセルを使うためには、パソコンの電源を入れてWindowsが起動してからエクセルを起動する必要があります。
WindowsVistaでExcel 2007を初めて起動するときは、「Startメニュー」ボタン → 「すべてのプログラム」 → 「Microsoft Office」 → 「Microsoft Office Excel 2007」と順にクリックすると、エクセルの基本画面が表示されます。WindowsXPでExcel 2003を初めて起動するときも、ほぼ同じ手順です。
いずれも初めて使うときは、何度もクリックするのが面倒ですが、よく使うプログラムはStartメニューで優先的に表示されるようになり、またエクセルで作成したファイルは実行プログラムであるエクセルに関連付けされていて、既存のエクセルファイルをWクリックすれば開くため、わざわざエクセルを起動してからファイルを開く必要はなく、エクセルを使ってみれば便利にできています。
2-1 Excel 2007の基本画面の構成
Windowsパソコンで表示されるウィンドウ(表示画面)の構成は、Excelに限らずウィンドウ枠として「タイトルバー」、「メニューバー」、「ツールバー」、「スクロールバー」、「ステータスバー」が基本となっていますが、WindowsVistaでは、Vista標準のアプリケーシヨンやOfficeやInternetExplore7などMicrosoft社製の自社ソフトにおいて独自性が強くなっています。
Excel 2003以前のバージョンでは、基本画面の上部のウィンドウ枠にセオリーどおり「メニューバー」と「ツールバー」がありましたが、Excel 2007では、「メニューバー」と「ツールバー」の部分が「リボン」と呼ぶ名前に変わっています。
右の画面が、Excel 2007(SP1)の基本画面です。
この画面の赤枠の部分が「リボン」であり、「リボン」内の上部(黄色の枠の部分)に「ホーム」、「挿入」、「ページレイアウト」・・・「表示」という7つのタブがあります。
このタブ毎に、それぞれ同種のコマンドがグループ化されて配置されています。
例えば、「ホーム」タブ内には、「クリップボード」、「フォント」、「配置」・・・「編集」と7つのグループ(画面緑色の部分)があります。
この「フォント」グループには、フォントの書体、サイズ、太字、下線、文字色などを変更するボタンが配置されており、「挿入」タブをクリックすると、「図」や「グラフ」のグループがあり、「図」や「グラフ」を作成し挿入するためのコマンドがグループ化されています。
タブとグループ化によって体系的になって整理された反面、以前のバージョンのExcelに慣れているとコマンドを使いたいときにすぐ見つからなくてイライラしたり、そもそも何ができるのか全ての機能が確認しにくくて使い難いという面があります。
よく使うコマンドを前面に出しつつグループ化していることは、毎日のようにExcelを使用しているユーザーにとっては便利かもしれませんが、たまに使用するユーザーは、例えば「セルの書式設定」や「図形の書式設定」などの設定画面を表示させてから処理した方が何ができるのか解り易く勉強にもなるでしょう。
ともかく、「メニューバー」と「ツールバー」がExcel 2007ではタブ付きの「リボン」に置き換わったことが使い方に影響する大きな変更事項であり、初心者の方が学習するときはExcelのバージョンに留意する必要があります。
2-2 Excel 2003の基本画面の構成
右の画面が、Excel 2003(SP3)の基本画面です。
画面の赤枠の部分がメニューバーであり、「ファイル」、「編集」、「表示」・・・「ヘルプ」と9つのメニューが並んでいます。
このメニューをクリックして、表示されるプルダウンメニューから全てのコマンドを使うことができます。
また画面の緑色の枠の部分がツールバーであり、コピー、貼り付け、関数の貼り付け、文字の書体、サイズの変更など比較的よく使われるコマンドにアクセスし易くなっています。
2-3 Excel 2000の基本画面の構成
右の画面が、Excel 2000(SR1)の基本画面です。
見てのとおり、赤枠のメニューバーのメニュー項目は、Excel 2003と同じです。
また緑色の枠のツールバーのコマンドも、基本的にはExcel 2003と同じコマンドが揃っています。
そのため、Excel 2000では、後から登場した新しいバージョンで採用されている機能は使えないとしても、基本的な使い方としては同じであり、Excel 2000〜Excel 2003までは、バージョンの違いによって操作方法で迷うことはあまりないでしょう。
3 表の作成手順とエクセル学習のステップ
表の作成の手順
具体的な表の作成の手順は、人によって、また表によって異なるのでしょうが、筆者が普段エクセルで表を作成するときは、概ね次のような手順で行っています。言わばMy Free-style PCサイト流の手順として紹介します。
1 表を作成する準備 ・・・・・・・・・・ 全セルの一括初期設定
2 初めに表の形を作る ・・・・・・・・ 表のタイトル・見出しの入力、罫線を引く
3 セルに数式を入力する ・・・・・・ 数式の入力、数式のコピー、テスト値の入力
4 表の形を整える ・・・・・・・・・・・・ 罫線の修正、表示桁数の変更、表への配色
5 表を保存し・必要な時に使う ・・ データの入力順の変更、シート名の変更・保護、表の保存
何事も手順が重要ですね。さあ表を作ろうと思ったときに、どういう順番で作業を進めればよいのか迷わないだけでも、既に上達しています。
なお、表の保存は最後の手順として説明していますが、作業の途中でも中断する場合は名前を付けて表を保存しないと、また一から作り直さなければならないので必ず保存してください。
ステップ1 ・・・・・ 初級編
まずは習うより慣れろで、上述の手順により、簡単なオリジナルな表を作成してみましょう。
Excel 2003以前のバージョンで、初心者向けにオリジナルな簡単な表を速攻で作成する手順を解説しています。
<使用関数> IF関数、SUM関数、AVERAGE関数、MAX関数、MIN関数
<サンプル表> ガソリン消費量の実績表
Excel2007で、初心者向けにオリジナルな簡単な表を速攻で作成する手順を解説しています。
<使用関数> IF関数、SUM関数、AVERAGE関数、MAX関数、MIN関数
<サンプル表> ガソリン消費量の実績表
ステップ2 ・・・・・ 初・中級編
見やすい、使い易い表を、エクセルの便利な機能を使って作成してみましょう。
エクセルの表を見やすくするためのセルの書式設定を初心者向けに説明しています。
セルの表示形式、セルの高さ、幅の変更、セルの結合、文字位置、文字サイズ、太字への変更
罫線の種類、罫線の太さの変更、セルへの配色など
<サンプル表> 自家用車購入価格比較表
セルの保護、入力方向の切替、リストの並べ替えなどエクセルの表を使いやすくするためのテクニックを初心者向けに説明しています。
セルの保護・ロック、入力方向の切替、表示ズーム、非表示、リストの並べ替え
<サンプル表> 自家用車購入価格比較表
エクセルでの文字の入力、表の作成を補助するエクセルの便利なオート機能について紹介しています。
オ−トフィル、オートコンプリート、オートコレクト、オートフォーマット、オートシェープ
数式の入力、データの抽出などを補助するエクセルの便利なオート機能について初心者向けに説明しています。
オートSUM、オートカルク、オートフィルタ
ステップ3 ・・・・・ 中・上級編
表計算ソフトであるエクセルならではの機能を使って、電卓では不可能な高度な技術計算やグラフ化により分析資料を作ってみましょう。
なお中・上級編では、少し難しい関数も使用しており、サンプルの表を参考としてください。
エクセルのワークシートの基本的な操作方法、複数シートの便利な活用方法を初心者向けに解説しています。
シート名の変更・挿入・削除、コピー・移動などワークシートの操作方法、複数シートの基本的な使い方
複数シートの高度な活用法
<使用関数> VLOOKUP関数、OFFSET関数
<サンプル表> 簡単家計簿
エクセルが使えない理由は?、エクセルの基礎知識があるのにエクセルが苦手な方のために、自分の趣味の分野でアイデアを組み立て表の作成にチャレンジすることをお勧めします。
<使用関数> MIN関数、SMALL関数、INDEX関数、MATCH関数、ISNUMBER関数
<サンプル表> 料理食材チェック表
エクセルでは、結果を簡単にグラフ化できます。ポイントとなる部分はグラフを作成すると見やすく解りやすいため、グラフ化する方法・手順を紹介しています。
グラフ化する準備、グラフの種類の選定、タイトル、軸、目盛線等の設定、配色など見易くする工夫
近似式の描き方、近似式の修正方法
エクセル上達のためには、IF関数の使い方をマスターすることが重要であり、IF関数とその系列の関数の基本的な使い方を説明しています。
<使用関数> IF関数、AND関数、OR関数、COUNTIF関数、SUMIF関数
<サンプル表> 汎用マルチ集計表、商品購入コスト比較表
エクセル(Excel)は表計算ソフトであり、本来の使い方である数式をセルに入力して計算する方法を説明しています。
<使用関数> SUM関数、AVERAGE関数、ROUND関数、ROUNDDOWN関数
<サンプル表> 週間勤務時間実績表