1-1 セルの書式設定
1-2 表示形式
1-3 セルの高さ、幅の変更
1-4 セルの結合
1-5 文字位置、文字サイズ、太字への変更
1-6 罫線の種類、罫線の太さ
1-7 セルの配色
2 エクセル簡単テクニック(後編)
セルの保護・ロック、入力方向の切替、表示ズーム、非表示、リストの並べ替え
入力規則プルダウンリストの使用 (2012年6月追記)
<参考> 自家用車購入価格比較表で使用している数式の説明
1 セルを見やすくするためのテクニック
1-1 セルの書式設定
エクセルでは、セルを単位として、いろいろな設定ができ、見易くするためには、「セルの書式設定」で変更することができます。
文字サイズ、文字位置の変更、セルの高さ、幅の変更、罫線の種類、罫線の太さの設定と変更、強調したい文字を太字にすることなどは、普段からよく使われます。
メニューバーの「書式」をクリックし、「セル」をクリックすると右の画像の「セルの書式設定」のダイアログボックスが表示されます。
なお任意のセルを選択し右クリック、ホップアップメニューの「セルの書式設定」をクリックしても同じ画面が表示されます。
この「セルの書式設定」の上部に、表示形式、配置、フォント、罫線、パターン、保護とタブが並んでおり、このタブをクリックして、それぞれの設定を変更することができます。
また「セルの書式設定」の変更は、複数のセルの書式を一括変更すると便利であり、普通は同じ列や同じ行の複数のセルを一括変更することが多いでしょう。
なお複数のセルの書式設定の一括変更は、一つのセルでマウスをクリックし、クリックしたままマウスを動かせば、複数のセルが選択できます。その後はメニューバーでも右クリックでも、どちらからでも「セルの書式設定」のダイアログボックスを開くことができます。
また設定を変更した後は、「OK」をクリックし、設定の変更を反映させ、この「セルの書式設定」のダイアログボックスを閉じます。
説明用に、下の「自家用車購入価格比較表」を用意しました。
上の表は完成した表ですが、途中の下の表でも、結果を知りたいという目的は果たしています。
下の表は、まず全てのセルを対象に、行の高さ18、列の幅10、文字サイズは12ポイント、文字位置は中央を指定、縮小して全体を表示する設定にして、外枠のみひいて表として作り上げたものです。しかし少し見栄えが悪いので修正してみましょう。
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1-2 表示形式
「表示形式」は、「セルの書式設定」の上段、「表示形式」タブをクリックして、下の画像の画面で変更します。
なお「表示形式」タブをクリックしなくても、エクセルを立ち上げて、初めて「セルの書式設定」ダイアログボックスを表示させれば、右の画像の「表示形式」の変更画面が現れます。
しかし、例えば一度「フォント」の書式設定を変更すれば、次に「セルの書式設定」を使うときにも「フォント」の変更画面が表示されるため、この場合「表示形式」タブをクリックして切り替える必要があります。
前に変更した設定項目を覚えていることは、続けて同じ設定項目を変更することが多いので便利なことです。
「表示形式」タブでは、左側「分類」欄が、「標準」の設定から、「数値」、「通貨」、「パーセンテージ」などに変更できます。
さて、サンプルの表でまず気になることは、データに桁区切りがないため、解りにくいことです。
「表示形式」の「分類」欄で「数値」を選ぶと、右の画像のように、右側で「小数点以下の桁数」、「桁区切りを使用する」、「負の数の表示形式」を設定できるようになります。
この「桁区切りを使用する」のチェックボックスをチェックすれば、3桁ごとにカンマが付き解りやすくなります。
よって金額の入るところは全て桁区切りを使用するため、C7〜H23までのセルを一括選択して、「桁区切りを使用する」にチェックを入れています。
なお「小数点以下の桁数」は、分数の計算結果など小数点以下のケタ数を指定したいときに指定でき、例えば2桁とすれば、3桁目で四捨五入し小数点以下2桁で表示されます。また「負の数の表示形式」も数値の頭に−や△を付すこと、赤字で表示することなどの指定ができます。
次に気になる箇所は、行12の「値引率」と行24の「支払額対値引率」の欄はパーセントで表示したいということです。
例えばC12のセルの値は、「12.526059603」と表示されていますが「12.5%」と、C24は「0.145847889」ですが「14.6%」と表示したいものです。
あえて説明のために、行24は単純に小数点以下の値としているのに対し、行11は、数式に「=IF(C10="","",C11/C10*100)」と「*100」を加え百倍して、%の値としています。
まず行24ですが、この行24を一括選択し、右の画像のように「表示形式」の「分類」欄で「パーセンテージ」を選び、右側の「小数点以下の桁数」を1桁と指定すると、勝手に100倍して、例えばC24のセルは、「14.6%」と表示されます。
<ユーザー定義>
次に、行12ですが、こちらは既に%計算された値ですから、右の画像のように「表示形式」の「分類」欄で「ユーザー定義」を選び、右側の欄の「種類」に「#0.0"%"」と入力すると、「12.5%」と表示されます。
このときに%は文字ですから「"%"」と「""」で%を囲まないと、1252.6%とさらに100倍されてしまいます。なお、「#0.0"%"」は、結果が「0」のときに「0.0%」と表示される設定です。
しかし、この表では数式で
「=IF(C10="","",C23/C22)」と行10の値がブランクならブランク表示するようにしており、「0.0%」と表示されることは滅多に無いでしょう。
行22の「支払い額合計」と行23の「比較値引額」は、左の画像のように「ユーザー定義」で、「#,##0"円"」と指定しています。
「#,##0"円"」は、3桁ごとの桁区切りのカンマが付き、値が0のときに「0円」と表示され、例えばC22のセルは、「1,746,889円」と表示されます。
これを「0,000"円"」とすると値が0のときに「0,000円」と表示され見苦しいので、最後の0を除いて「#」を使うべきでしょう。
また「購入予定月」の入力セル「H2」も、「ユーザー定義」で、「0"月"」と指定しています。
なお分類に「通貨」という種類がありますが、この「通貨」を指定すると桁区切りがある整数として表示され、さらに数値の頭に¥が付きます。つまり「\1,746,889」と表示されるのですが、サンプルの表のように「1,746,889円」と後ろに「円」を付けたいのであれば、「ユーザー定義」を使うことになります。
「ユーザー定義」の「#,##0"円"」は、頻繁に使う機会があるように、慣れてくると「ユーザー定義」を普段から多く使うようになり、上手に使うことで、見易い優れた表になります。
1-3 セルの高さ、幅の変更
まずA列の幅を狭めて、B列の幅を広げています。
列の幅の変更は、最上段の列番号の境界、例えば「A」と「B」の境界にカーソルを当てると矢印に変わるので、その状態でクリックしてマウスを左右に動かせば、列の幅を拡げたり狭めたりできます。
上のサンプルの表では、B列の項目がそのままでは読みにくいので、A列を狭め、B列を拡げています。また行の幅の変更も、行番号の境界にカーソルを当てると矢印に変わるので、列と同じように変更できます。
1-4 セルの結合
表のタイトルの「自動車購入価格比較表」の文字は、修正前は、読めないような小さな文字になっています。これは最初に「縮小して全体を表示する」設定にしたためです。
一つの「B1」セルでは横幅が狭すぎるので、大きな文字でも表示できるように「B1」と「C1」のセルを結合しています。
セルの結合は、結合する複数のセルを先に選択し、この場合は「B1」と「C1」のセルを選択して、「セルの書式設定」の「配置」タブをクリックします。
右の画像のように、「配置」タブの左側の最下段に、「セルを結合する」ためのチェックボックスがあり、チェックすれば「B1」と「C1」が結合できます。
なお文字の制御として、この「セルを結合する」のほか、「縮小して全体を表示する」、「折り返して全体を表示する」ためのチェックボックスがあり、いずれもセルを選択してチェックするだけと簡単で、ときどき使うことのあるチェックボックスですからマスターしてください。
1-5 文字位置、文字サイズ、太字への変更
文字位置の変更も、「セルの書式設定」の「配置」タブの上段の「文字の配置」欄で行ないます。
サンプルの表では、最初に横位置を「中央揃え」としたため、データのセルの数値が右揃えとなっていないため見にくいですね。よって金額の入るところC7〜H23までのセルを一括選択して、「文字の配置」の「横位置」を「右詰め」に変更しています。(上の画像)
なお、行5の「排気量」や行6の「車両重量」のように、数値の桁数が大きく違わないで揃っているような場合は、「中央揃え」の方が見やすいのでそのままにしています。
表のタイトルの「自動車購入価格比較表」の文字サイズが他のセルと同じ12ポイントでは、少し小さくて目立たないですね。
<文字サイズ>
文字サイズを変更するためには、「セルの書式設定」の「フォント」タブをクリックし、上段の右側「サイズ」の中から選んで変更することができます。
この「自動車購入価格比較表」のタイトルの文字サイズは、12ポイントから16ポイントに大きくするよう変更しています。
なお文字サイズ16ポイントは、選択ボックスの中から選べますが、選択ボックスの▲▼をクリックしても選べない例えば13ポイントや10.5ポイントの指定も、選択ボックスの上の枠に数値を直接入力して指定することが可能です。
<太字>
文字や数値を強調するために太字を使うことができます。
サンプルの表では、表のタイトル、見出し項目のほか、行3の「車名」、行4の「グレード」、行22の「支払い額合計」、行23の「比較値引額」、行24の「支払額対値引率」の欄は「太字」に変えています。
具体的には「セルの書式設定」の「フォント」タブの上段の真ん中の「スタイル」で「標準」のほか「太字」、「斜体」、「太字 斜体」を選ぶことができ、この場合は「太字」をクリックして選んでいます。
また、この「フォント」タブでは、「フォント名」欄でフォントの種類を、「下線」と「文字飾り」の欄で装飾を、「色」の欄で文字色の設定を変更することができます。サンプルの表では使っていませんが、美的センスの豊かな方は、「色」なども、試してみるときれいな表になることでしょう。
以上説明した「セルの書式設定」で変更する項目は、比較的頻繁に使う操作は、ツールバー上で変更できる項目があり、うち「文字サイズ」や「太字」の設定はツールバーを使うことが簡単でしょう。
ただし、メニューバーの「表示」をクリックし、プルダウンメニューの「ツールバー」にカーソルを当てたときに表示される「書式設定」にチェックが入ってないと、ツールバー上には表示されないので、このチェックを入れてツールバー上に置いておく必要があります。
これまでの修正事項を変更したものが上の表です。
上の表では、まだ罫線が引けてませんね。次に、罫線を必要なところに引いてみましょう。
1-6 罫線の種類、罫線の太さ
罫線を引いたり、種類や太さを変更するためには、「セルの書式設定」の「罫線」タブをクリックします。
罫線は一つ一つのセルごとに引いていては大変ですから、複数のセルを一括選択して、まとめて引くと手間が省けます。まずG2とH2の2つのセルを同時に選択し、外枠は太線、G2とH2の境界は点線を引いています。
このとき線の太さや点線など罫線の種類の選択は、右の画像の右側の線「スタイル」欄でクリックして選び、線を引く位置は、左側の「罫線」欄の枠内でクリックして指定します。
なお外枠は、G2とH2の場合「スタイル」欄で太線を選んだ後に、枠内で上下左右それぞれクリックしなくても、上段のプリセットで外枠をクリックしても引けます。
また内枠は、「スタイル」欄で点線を選んだ後に、同じようにプリセットで内枠をクリックすると引けます。
さらに罫線の色の変更は、右の画像の右側の下段の「色」欄で好きな色に変更することができます。
サンプルの表では、行3の「車名」〜行6の「車両重量」、行7の「車両本体価格」〜行10の「車両価格計」など、大きな区切りごとに太い罫線を使い、細い罫線と組み合わせることにより、解りやすくしています。内枠は普通は細い罫線で、点線も一部使用しています。
さて罫線を引き終えた後は、セルへの配色です。
1-7 セルの配色
セルに色をつけるときれいな表となって使いやすくなります。
具体的には「セルの書式設定」の「パターン」タブをクリックし、標準では色無しとなっているところを、好みの色をクリックして選べばセルに色をつけることができます。
なお、色を消すときは、「色なし」をクリックすれば戻ります。
サンプルの表では、見出し項目のセルは青色、自動的に計算されるセルは緑色、知りたい結果を表示するセルは赤色、データを入力するセルは黄色と色分けしています。文字色が黒なので、それぞれ薄い色を使っています。
特に入力セルを別の色にしておくことは、表完成後のデータ入力のときに解りやすいのでお勧めします。
入力セルの黄色は、上の左の画像のように、そのまま薄い黄色を選んでいるだけですが、結果を表示するセルの赤色は色が濃すぎて文字が見にくなるため、実は一工夫して上の右の画像のように、パターンを使用しています。
「パターン」タブの下段にパターンを選ぶ枠があって、その横の▼をクリックすると表れるホップアップメニューの上段で、色を付す割合、縞模様、格子模様などのパターンを選ぶ欄、下段で色を選ぶ欄が表示されます。
このホップアップメニューで、まず色を選び、再度ホップアップメニューで縞模様など好みのパターンを選べば、セルに色つきのパターンが表示されます。この表では赤色を付す割合を下げ薄い色にして配色しています
配色などは楽しんで好きなようにすれば良いですね。セルに色を付けて、最終的に完成したものが上の表です。