1-1 開放型PCケースの静音化の方法と目標
1-2 静音化対策で留意すること
1-3 静音化のために用意したパーツ
2 PCケースファンの選び方と制御
2-1 PCケースファンの種類と役割
2-2 PCケースファンの選び方
2-3 その他の増設クーラーの選び方
2-4 ファンコントローラの役割と使い方
3 増設・交換作業の留意事項と静音化対策の効果
3-1 パーツの増設・交換作業の留意事項
3-2 静音化対策の効果
1 開放型PCケースの静音化の基本
かつては密閉型のPCケースが主流でしたが、AthlonやPentium4の時代からCPUの発熱を排出するためPCケース内の換気が重要となってエアフローが強化され、さらに高発熱のビデオカードが使われるようになって、開放型PCケースが主流となっています。
CPUでは、クアッドコアプロセッサであるIntelのCore2 QuadやCore i7、AMDのPhenom X4では一部の低消費電力版を除けばTDPが95W以上と高いこと、ビデオカードではAMDのRadeon HD4850以上、NVIDIAのGeForce 9600GT以上の高性能ビデオカードでは消費電力が100Wクラス以上でありGPUが高発熱源となり、今どきの性能重視のパーツを組み込むためには開放型PCケースが適しています。
ただし、開放型PCケースでは騒音は筒抜けであり、密閉型PCケースのように騒音を閉じ込めることができないため、ある程度の騒音は覚悟しなければならないのですが、騒音が気になるのであれば、ケース内の換気性が良いというメリットを活かして少しでも静かになるように工夫することが必要です。
1-1 開放型PCケースの静音化の方法と目標
開放型PCケースとしては、サイドパネルに大きな通気口があるタイプ、側面に大型サイドファンがあるタイプ、フロントパネルがメッシュ仕様のタイプ、さらにはゲーマー向けのPCケースとして、フロントメッシュ仕様でサイドファン、トップファンなどフル装備のケースが究極の形でしょう。
自宅のメインパソコンは、2006年9月に購入した右の画像のフロントパネルがメッシュ仕様のThermaltake製「VD3000SWA」を使っています。
当時は、まだクアッドコアプロセッサの登場前でTDPが抑制されたデュアルコアCore2シリーズの発売直後であり、パソコンの静音化への配慮は一時のことでしたが、あまり必要のない時代でした。
サイドパネルにアクリル透明窓があるPCケースにこだわって購入しましたが、フロントメッシュ仕様で、フロントとリアに12cmファンを装備しており、今となっては普通ですが当時としては換気性が良いミドルタワーケースです。
このPCケースでは、2008年5月のゴールデンウィークに、Core2 Quad Q9450を使用して組み直し、2008年8月下旬にRADEON HD4850搭載ビデオカードに換装しており、これら発熱の高いパーツの使用により、長時間使用すると騒音が気になるようになってきたという状況です。なお、その解説は「Core2 Quad PC自作」と「Radeon HD4850ビデオカード換装」を参照してください。
さらに最近の開放型PCケースでは、14cmファン装備のものや12cmファンが増設できるPCケースもありますが、このPCケースでは、12cmファンは取り替えしかできなく、他に換気用のファンをどのように追加するのか工夫が必要です。
パソコンで発生する騒音は、CPUの冷却ファン、ビデオカードの冷却ファン、電源ファン、ケースファンなどのファンの回転音が最も気になるところであり、次いでHDDのアイドル音、駆動音、DVDドライブの駆動音あたりです。
CPUの冷却ファン | 45nm版Core2 QUADのリテールファンはノイズ 36dB〜44dB |
ビデオカードの冷却ファン | RADEON HD4850/4870リファレンスファンノイズ 40dB〜50dB台 |
電源ユニットのファン | 500〜600Wの静音電源の最大ノイズ 18dB〜27dB程度 |
PCケースファン | 25mm厚120mmケースファンのノイズ 5dB〜40dBと個体差が大 25mm厚80mmケースファンのノイズ 12dB〜46dB程度 |
HDDのアイドル音・駆動音 | HDDのアイドル音 24dB〜29dB、シーク音 27dB〜33dB |
これらの騒音の発生源で騒音レベルを抑えることが最も好ましいことであり、個々のパーツとしては回転数がコントロールできるPCケースファンは別として、30dB以内のパーツで揃えることが好ましいでしょう。
そのため騒音レベルが低いパーツに交換することが良いのでしょうが、今どきのCPUクーラーの冷却ファンは一部の大型ヒートシンクに大口径ファンを取り付ける大きなサイズのものはあっても、オーバークロック向けで冷却能力を高めるタイプが主流であり、交換してもそれほど静かにならないCPUクーラーが多いでしょう。
またビデオカードも、リファレンスファンがうるさいビデオカード向けに大型冷却クーラーも市販されるようになりましたが、こちらは初めからリファレンスファンより静かなオリジナルファン装備のビデオカードもあり、ビデオカードの冷却クーラーを交換すると保証外となるためお勧めできません。
さらに最近の電源ユニットは、静音タイプのモデルが多いのですが、電源ファンの騒音が気になるのであれば、一般的にはファンのみ換装できないので電源ユニットを交換するよりないでしょう。
基本的に、これらのファンの回転音は回転数に比例してノイズレベルが上昇するため、負荷が高いときやケース内温度が高いときに回転数が上がって騒音が大きくなります。
負荷を下げるためにCPUをダウンクロックして使用するという裏技もあり、夏場の暑いときだけダウンクロックする手もありそうですが、やはり開放型PCケースでは、エアフローの強化によりケース内温度を下げることが現実的な対策でしょう。
高性能なCPUやビデオカードを使うために妥協しないとすると、開放型PCケースを選ばざるを得ないのですが、開放型PCケースではパソコン内部のパーツの騒音は筒抜けであり、ある程度の騒音は覚悟しなければなりません。
そして、CPU、ビデオカード、電源ユニットを交換しないとすると静音化対策としては限られており、ケースファンの増設と交換、ファンの回転数のコントロールにより、ケース内の換気を良くしてケース内温度を下げ、どの程度静かにできるのかということです。
ケースファン自体が回転音が発生するため、ケースファンを増設することで静音化を図ることは一見矛盾するように思われるかもしれませんが、ファンの口径が大きければ大きいほど低い回転数で冷却に十分な風量が確保できます。
ケース内部の最も大きな騒音源であるCPUファンは、ケース内温度が高いときはブンブン回ってうるさいので、騒音レベルがCPUファンより低いケースファンでケース内温度を下げることにより、CPUファンの回転数を下げファン騒音を抑えて、TOTALとして騒音レベルを下げる効果を狙っています。
静音化の目標を立てるときは、「パソコンの静音化対策」でも解説していますが、耳に聞こえるTOTALとしての騒音レベルを考える必要があります。
<騒音レベルの合成> | |
騒音レベルは、30dB+30dB=60dBとはなりません。一般に騒音レベルの和は次式で求めます。 (ただし足すための単純式ですから、目安程度のものです。) 合成騒音レベルの推計式 L=10*Log10(10L1/10+10L2/10+・・・・+10Ln/10) 例えば、CPUファン35dB、ケースファン20dB、電源ファン32dBでは L=10*Log10(1035/10+1020/10+1032/10= 36.9dB 式は難しそうですが、結論は簡単で、最も大きな騒音を抑制するべきということです。 |
騒音レベルは発生源からの距離に反比例し、一般的には基準距離を1mとして機器のノイズレベルが示されており、これより近ければ大きな音、離れていれば小さな音として聞こえます。デスクトップパソコンを机の下に置けば耳から1m近く離れていますが、机の上に置けば50cmぐらいの距離でありTOTALの騒音が36dBであったとしても、概ね42dBと推定され、うるさく感じることでしょう。
なお、上記の50cmぐらいの距離で耳に聞こえる騒音レベルの推定は、測定位置での騒音レベル=基準距離での騒音レベル−20×LOG10(測定位置までの距離/基準距離)という一般的な式で算出しています。
もちろん聞こえるのは、ケース外に漏れる騒音ですから、正確にはパーツの仕様に記載されている騒音レベルとは異なり、音の周波数(高低)や耳障りな音質かどうかで気になるかどうかも違いますが、概ね上の式に発生源のスペックを当てはめて、TOTALでパソコンの騒音レベルを計算すれば、うるさいと感じる程度の目安となるでしょう。
開放型PCケースで冷却ファンを数多く使えば一定の騒音レベルはやむを得ず、40dBで静かな図書館の中、30dBでささやき声、20dBで木の葉の擦れ合う音ぐらいと言われてますが、30dB以下に抑えることは難しいでしょう。
また、四季の寒暖差の激しい日本では、冷暖房を使用している屋内でも、冬は10℃、夏は30℃近くになることがあり、冬場は静かでも、夏場は冷却ファンの回転数が上昇して騒音が気になるものです。もともと静かな冬場に作業するのであれば、静音化対策の効果が実感できないかも知れませんが、夏場になったときに少し静かになっていればそれで十分です。
所詮、開放型PCケースで騒音を大幅に抑制することは困難であり、目標は、今より体感的に少し静かになることで満足すべきであり、気にすれば切りがないという面があります。
もし冬場でもうるさいと感じるのであれば、CPU、ビデオカードなどパーツの交換、またはパーツの冷却ファンの換装、さらにはPCケースの交換や水冷化などの抜本的な対策を考えざるを得ませんが、そもそも極度に静音にこだわるのであれば、高性能パーツを使うことをあきらめた方が早いでしょう。
具体的な対策を検討するためには、まずケースの側板を開いて電源を入れ、しばらく稼動させて、騒音の発生源として冷却ファンのうちどのファンがうるさいのか、またドライブがうるさいのか確認するとともに、BIOSでCPU温度とCPUファン回転数を調べて、どの程度の回転数でうるさく感じるのか目安をたてることが大切です。
1-2 静音化対策で留意すること
開放型PCケースでは、主要パーツを購入する前にノイズレベルを確認し同性能のパーツの中でできる限りノイズレベルの低いものを選択することが重要ですが、パーツを購入した後はある程度の騒音は覚悟して使わざるを得ません。
今回は、ケース内のエアフローの強化、換気を良くすることが目的であり、2004年の静音化対策で使用した吸音シートや防振グッズなどは、手持ちにあるものを部分的に使っただけで新たに購入していません。
吸音シートなど防音材は騒音を閉じ込め易い密閉型PCケースでは有効でしょうが、騒音を閉じ込めることと、ケース内の換気を良くすることは相反する面があり、開放型PCケースではタイプにもよりますが、基本的には、ケース内の防音・吸音対策は、あまり効果がないと思った方が良いでしょう。
要するに、ケース内の換気を良くするためか、騒音を閉じ込めるためか、その目的に適した対策を実施しないと役に立たないばかりか、かえって逆効果となる場合があります。
なお、メインパソコンで2004年当時使用していたアルミ製ミドルタワーケースと比べて、現在使用中のPCケースThermaltake製「VD3000SWA」も素材は同じアルミ製ですが鋼製が高いため防振対策は不要であり、この「VD3000SWA」に限らず最近のPCケースはしっかりとした造りのものが多くなっています。
1-3 静音化のために用意したパーツ
今回購入したパーツは、12cmケースファン2基、PCIスロット取付クーラー(排気用)2基、5インチベイHDDクーラー1基、ファンコントローラ1基と電源ユニット1基を購入しました。
右の画像が購入した12cmケースファンです。
左側がリアファン交換用のAntecの「TRICOOL 120MM TRILIGHT LED」で、右側がフロントファン交換用のサイズの「光る鎌風の風 SY1225SL 12VBL」です。
「TRICOOL 120MM TRILIGHT LED」のスペックは、手動でファンの速度が3段階に切り替え可能であり、低速で回転数1200RPM / 風量39CFM /ノイズ25dBA、標準で1600RPM / 56CFM / 28dBA、高速で2000RPM / 79CFM / 30dBAであり、「光る鎌風の風」のスペックは、ファンコントロール付きで回転数800〜1600rpm±10% / 風量33.11〜66.21CFM / ノイズ14.00〜31.84dBAです。
PCケースThermaltake製「VD3000SWA」の元々の付属ファンは、Front Intake(吸気用)ファンが回転数1300rpm / ノイズ17dBAのblue LEDファンで、 Rear Exhaust(排気用)ファンが回転数1300rpm / ノイズ17dBAの静音ファンであり、風量は開示されていませんが、おそらく50CFM以下でしょう。
PCケースのサイドパネルが透明クリアパネル仕様であるため、LED付きの光るファンにこだわって選びましたが、数少ないLED付き12cm角ファンの中でも、PCケース付属ファンより風量が多く冷却能力が高いファンを選んでいます。
右の画像が購入したPCIスロット取付クーラーです。
左側のAinexの「RSF-02」はセカンドマシンのスリムATXケース用に、右側のSpireのExhauster/S「SP08025S1ME4」はメインパソコンのミドルタワーケース用に購入しました。
Ainexの「RSF-02」は回転数2400rpm±10% /風量12.5CFM /ノイズ20dBであり、「SP08025S1ME4」は2500rpm /風量31.73CFM /ノイズ28.0dBです。
この2台は随分スペックが異なり、「RSF-02」はノイズ20dBと静音タイプ、「SP08025S1ME4」は風量31.73CFMと冷却重視であり、標準で4基のファン搭載と多くのケースファンを使用しているスリムATXケースでは静音タイプのものを使ってみました。
右の画像が購入したValueWaveの5インチベイHDDクーラー「HDC-1000BK」です。
「HDC-1000BK」は、5インチベイ2つ分のスペースに、HDDを最大3個まで装着可能であり、HDDクーラーとして80mmファンが付いています。
80mmファンのスペックは、回転数1600rpm±10%、風量20.32CFM、ノイズレベル16.0dBであり、ファンが回転していることに気付かないほど静かです。
エアフローを強化するため、空き5インチベイに単純に吸気用のLED付き12cmファンが増設できないかという発想でしたが、適当な取り付けパーツがなく、結果として購入した「HDC-1000BK」は良いもので気に入っています。
右の画像が購入したファンコントローラでサイズ製のKAZEMASTERアルミ「KM02-BK」です。
KAZEMASTERの初代のモデルとKAZEMASTERアルミは、少しデザインが異なりますが機能はほぼ同じであり、5インチベイ用の4chファンコンと3.5インチベイ用の2chファンコンとあります。
いずれもファンコンとしてはシンプルなデザインながらも、VFD(蛍光表示管)ディスプレイを採用し、見た目の良い人気ファンコントローラです。
「KM02-BK」は、VFDディスプレイで4基のファンの回転数の表示とケース内の4か所の温度の表示機能があり、ファンの回転数の制御は給電停止まで可能と調整レンジが広いことがメリットです。
右の画像が購入した電源ユニットでサイズの「剛力短PLUG-IN 600W」です。
この電源ユニットは、メインパソコン用ではなく、セカンドマシンのスリムATXケース用に購入しており、そのセカンドマシンで使用してきたAntec製の電源TruePowerTrio「TP3-550」をメインパソコンに移設しています。
「剛力短PLUG-IN 600W」は奥行き123mmと短い上に、着脱式ケーブル採用であり、まさにスリムATXケース用に最適であり、スリムATXケースで組み立てたときから欲しいと思っていた電源ユニットです。
なお、スリムATXケースでは組み込めるパーツも限界があり、出力500Wモデルでも十分でしょうが、600Wモデルと500Wモデルのノイズカーブを確認すると同程度の出力では同程度のノイズレベルであり、両モデルの価格差が少ないので600Wモデルにしました。
メインパソコンで使用してきた「SilentKing4 550W」と「TP3-550」を比べると、「TP3-550」の方が+12V系の出力が大きい上に、少し新しいだけに静かであり、さらに電源のファンコントロール機能が働く4ピンFAN ONLYコネクタが2個付属していることが便利です。
2 PCケースファンの選び方と制御
2-1 PCケースファンの種類と役割
PCケースに装着する冷却パーツは、一般的な換気用のケースファンのほか、ケースファンを装着するためのステイやマウンタ、工夫された特殊なファンなど多くの種類の製品があります。
換気用ケースファン | ミドルタワーケースでは25mm厚120mm角ファンが主流 コンパクトケースでは80mmファン、60mmファンが多い 通常リアは排気用、フロントは吸気用、サイドは吸気用 |
口径変換アダプタ | 80mmファン用の取付け位置に120mmファンを装着するなど、より大口径のファンを使う方法 (ファンの厚みや取付け位置周辺のスペースによって使用不可の場合があり確認が必要) |
PCIスロット取付クーラー | リアのPCIスロットに取り付け、主にビデオカードの発熱の排気用のブロアファン |
部分冷却用のファン ファンステイ |
チップセット、メモリー、HDDなどの部分冷却用のファンであり、一般的には換気用としては役に立たない。 ファンステイはケース内に部分冷却用のファンを装着するための固定具 |
換気用ケースファンの大きさは、140mm角ファン〜40mm角ファンまでサイズが揃っていますが、一般的には120mm角ファン、80mm角ファン、60mm角ファンが多く使われており、種類も多く汎用性が高いためにお勧めです。
また、厚さも標準の25mm厚と薄型の10mm〜15mm厚と強力な38mm厚のものがありますが、最近のPCケースでよく使われている120mm角ファンでは25mm厚のファンが標準です。
ケース内のエアフローは、フロントから吸気し、リアから排気することが基本であり、サイドパネルにファンを取り付けるときは吸気用(intake)、トップパネルに取り付けるときは排気用(exhaust)が一般的です。
さらに最近では、ボトムにファンを装着可能なPCケースもごく稀にあり、ボトムを吸気用とするか排気用とするかはサイドファンの有無とその風量にもよりますが、もし下から上への風の流れをつくるためボトムのファンを吸気用とすると、ほこりが入り込む可能性がありパソコンの置き場所など十分注意する必要があるでしょう。
PCケースの換気を良くするためには、風の流れを作り出すことが重要ですが、PCケースファンだけでなく、電源ユニットのファンも排気する役割を果たしています。
電源ユニットの位置は固定であり、普通のPCケースではリアの上部に置きリアから排気するため、リアのI-Oパネル横のリアケースファンが吸気用では吸気した冷気をそのまま排気し、PCケース全体の換気ができず熱気がこもるため、もちろんリアファンは排気用に取り付けなければなりません。
また電源ファンとリアファンが排気用ということは、最大の発熱源であるCPUに近い位置で熱気を排出するという理にかなっており、コンパクトケースや昔のミドルタワーケースでは、フロントは開口部からの自然吸気でリアファンの能力により前から後ろへの風の流れをつくり、フロントファンは使われてないPCケースもあります。
リアファンの能力だけではエアフローが十分確保できない場合は、フロントに吸気ファンを取り付け、フロントから吸気し、リアから排気する風の流れを強めることがセオリーです。
インテルがPentium4の時代に、外部の冷気を直接CPUにあてるためにパッシブダクトを推奨したことがありました。このパッシブダクトはCPUクーラーと干渉する場合もあってマイナーとなりましたが、サイドパネルに吸気口があることは普通となり、この吸気口にファンを装着可能なPCケースが多くなりました。
さらにサイドパネルに驚くほど大口径の専用23cm〜40cmファンを装備したPCケースも登場しましたが、大口径ファン自体は低速回転でノイズレベルが低いとしても、その開口部から漏れるノイズなど全体のノイズレベルが気になるのであれば対処方法が難しく、また壊れたときに規格外では換装に困りそうであり、あまりにも大きいサイドファンは良し悪しという感じです。
エアフローは風の流れを強め換気を良くすること、そのために風の流れの方向が定まることが重要という基本に立ち返れば、フロントからリアへの風の流れを強化し、サイドファンは高熱パーツに冷気をあてるために補足的に使う方が扱い易いでしょう。
2-2 PCケースファンの選び方
PCケースファンのスペックとして、回転数、風量、ノイズレベルが示されていますが、基本的には、より高い回転数のファンほど風量も多く、ノイズも大きくなります。
またファン口径が大きいほど、低速回転でも風量が多いため、ノイズレベルが低い、つまり静かということになりますが、口径が同じ120mmファンでも、随分スペックが異なる場合があります。
そこで現実に市販されている120mmファンと80mmファンの回転数、風量、ノイズレベルの標準的な水準はどの程度なのか知りたくなり、主なPCケースファンのメーカーである Scythe、XINRUILIAN、Antec、ENERMAX、 Cooler Master、 ThermalTake、 Owltech、 ainex などの自社製品と取り扱い製品についてスペックを調べてみました。
PCケースファンはメーカー不詳のものやマイナーなメーカーの製品もありますが、執筆時点で購入可能で、スペックの解るものはほぼ網羅しており、結果はExcelで分布図にプロットし、近似式により標準的な値を求めています。
右のグラフは25mm厚120mmファンの回転数とノイズレベルをプロットしており、回転数が調整可能なファンについては、最大回転数でプロットしています。
回転数は、1000〜2000RPMまでと回転数を抑えたファンが多く、1000RPMで17dB、1500RPMで25dB、2000RPMで33dBが平均的な水準です。
右のグラフで赤い線より下にプロットされるファンは、ノイズレベルが平均的な水準以下のファンであり、静かなファンとなります。
回転数が1000RPM未満の静音ファンも一部ありますが、1500RPMでもメーカーとしては静音のカテゴリーとしている20dB未満のファンがあります。
右のグラフは80mmファンの回転数とノイズレベルをプロットしています。
回転数は、1500〜3500RPMまでのファンが主流と120mmファンと比べて高速回転のファンが多くなっています。
80mmファンでは、2000RPMで21dB、2500RPMで26dB、3000RPMで31dBが平均的な水準です。
同じ回転数では120mmファンより羽の小さい80mmファンの方が当然のごとくノイズレベルが低くなります。
しかし、80mmファンでは3000RPMの高速ファンでも風量が40CFM以下であり、風量を確保するためには、120mmファンより、はるかに高速に回転させることが必要です。
右のグラフは120mmファンの回転数と風量をプロットしています。
回転数1000RPMで40CFM程度、1500RPMで60CFM程度、2000RPMで78CFM程度が標準となります。
120mmファンでは、回転数1000RPM、ノイズレベルが17dBと極めて静かな静音ファンでも回転数3000RPMの80mmファンと同じ40CFMの風量が確保できます。
このように120mmファンは、80mmファンの3分の1の回転数で同じ風量を確保でき、そのノイズレベルは80mmファンの半分以下と静かなことが大口径ファンである魅力です。
さらに解り易く、ノイズレベルと風量をプロットしたものが右のグラフです。
120mmファンでは、20dBで50CFM、30dBで64CFMが平均的な水準です。
ファンは回転数で比べても目安となりますが、同じ回転数においては、風量が多くノイズレベルが低いファンが理想です。
このグラフでは、赤い線より上にプロットされるファンが、標準より静かで風量が多い優れたファンとなります。
現在主流の120mmファンでは、静音パソコン向けの極静音ファンや逆に強冷却ファンなど様々なタイプのファンが揃っています。
一般的に静音ファンとアピールされている回転数が1500RPMぐらいまでのファンは、ノイズレベルが低いものの、風量が40CFM以下とせっかくの120mmファンなのに風量が少ないものがあります。
トレンドとしては静音ファンの人気がありますが、開放型PCケースでエアーフローを強化するためには、風量が多いファンが好ましく、ファンコントローラを使わない場合は目安として30dB以下で風量が50CFM以上と多いファンを、ファンコントローラを使う場合はノイズレベルをあまり気にしないで目安として風量が60CFM以上と強冷ファンを選ぶと良いでしょう。
右のグラフでは、80mmファンのノイズレベルと風量をプロットしています。
80mmファンでは、20dBで25CFM、30dBで36CFMが平均的な水準です。
現在はうるさいファンは嫌われるため、80mmファンでも回転数とノイズレベルが低いファンが主流です。
ゆえに80mmファンと120mmファンを比べると、風量40CFMまでが80mmファン、風量40CFM以上は120mmファンのテリトリーという感じになっています。
もともと数少ない40CFM以上確保できるファンは、ノイズレベルが30dBを超えており、相当うるさいことはやむを得ないことです。
そのため80mmファンを換装してエアーフローを強化することには限界があり、風量を確保しなければならないケースでは、ファン口径変換アダプタを使用して、92mmファンや120mmファンを取り付け可能かどうか、その方法を工夫する必要があるでしょう。
PCケースファンを選ぶ際に留意する事項としては、回転数、風量、ノイズレベルのスペック以外に次の事項を確認する必要があります。
1 回転数が固定か可変か、可変の場合は自動調整か手動で調整可能か
2 ファンの電源供給ケーブルのコネクタの形状
ファンの回転数は、固定のものと可変のものがあり、スペック上で可変のものは、PWMファンやファンコントロール機能付きのファンがありますが、要は回転数が自動調整か手動調整可能かが使い方によって留意すべきことです。
また、回転数が固定のものでも、ファンコントローラによって制御可能なファンもあり、要はファンコントローラで供給電圧を定格の12Vから下げたときに何ボルトまで下げても動くのか、どの程度の制御範囲かが問題でしょう。
ファンの電源供給ケーブルのコネクタは、ペリフェラル4ピンコネクタ(ドライブ等に接続する汎用の4ピン大コネクタ)と、3ピンファンコネクタと、4ピンPWMファンコネクタとあり、ペリフェラル4ピンコネクタではファン回転数のパルスセンサー信号が検出できないため、回転数を調べることができません。
ファンコントローラを使う場合のケースファンの選び方としては、ファン回転数のパルスセンサー信号が検出できる3ピンファンコネクタか4ピンPWMファンコネクタを採用し、回転数が手動調整可能なファンを選ぶ必要があります。
また詳しくは後述しますが、ファンコントローラでは、ファンの定められた最大回転数を引き上げることは不可能でファンの回転数を抑えることしかできず、風量が不足すると思われるときには調整しようがないため、静音ファンにこだわらず、高速回転ファンで風量のできる限り多いものを選ぶ方が、調整範囲が広いので好ましいでしょう。
そして今回の静音化対策は、エアーフローを強化することを目的としており、ファンコントローラを使用するため、25mm厚120mmファンで風量が多い順にリストアップしています。
38mm厚120mmファンでは、100CFMを超える強力なファンとしてScytheのULTRA KAZE 3000rpmやOwltechのF12-N/38(山洋電気製SANYOファン)などがありますが、標準25mm厚の120mmファンでは、ScytheのKAZE JYUNI(SY1225SL12SH)の風量がズバ抜けています。
風量が多いベスト5には、KAZE JYUNIシリーズとOwltechのSANYOファンシリーズのそれぞれ2モデルとXINRULIANのRDH1225S(24LN)が並んでいますが、むしろXINRULIAN製ファンでは、回転数1700RPMのRDH1225S(17LN)が魅力的であり、風量は8番目でもノイズレベルが27.98dBとこのクラスとしては特に静かです。
また、風量に対するノイズレベルでは、11番目のENERMAXのMAGMA UCMA12が69.15CFMで18dBと圧倒的に優れており、Twister Bearingの採用やファンの羽のBatwing Blade構造の採用が静音化に効果があるのでしょう。このENERMAX製のファンは、もう少し回転数を高め風量を多くしたモデルがあれば文句なくベストという感じです。
PCケースファンの購入候補としては、サイドパネルにアクリル透明窓があるPCケースであるため、光物のLED付きの120mmファンにこだわっています。
この表の中で、光物のLED付きの120mmファンとしては、Antecの「TRICOOL 120MM」、Scytheの「光る鎌風の風 SY1225SL 12VBL」、ThermalTakeの「iFlash+(12cm)A2445」、VIZOの「UVLED120」ですが、以上の候補の中で風量が多い順に選択して、Antecの「TRICOOL 120MM TRILIGHT LED」と、サイズの「光る鎌風の風 SY1225SL 12VBL」を購入しました。
「TRICOOL 120MM TRILIGHT LED」は、ペリフェラル4ピンコネクタでファンコントローラには接続できませんが風量を3段階に手動切替が可能であり、「光る鎌風の風 SY1225SL 12VBL」はファンコントローラが付属しており、どうせ電源ユニットのFan Onlyコネクタやファンコントローラを使用して回転数を制御するため、ファンに風量の調整機能はなくてもかまわないのですが、LED付きのファンでは大風量のものは少ないという状況です。
他にもLED付きの120mmファンは、Owltechの静音ファン「OWL-FY1225L(BL)」(1,400rpm、29dB、49CFM)をパーツショップでよく見かけますが、これであればPCケースThermaltake製「VD3000SWA」の付属ファンと風量がそれ程変わらないでしょう。
「OWL-FY1225L(BL)」は、数多くの120mmファンが取り付け可能なPCケースでは選択肢となるのでしょうが、このPCケースで換装するには、ペリフェラル4ピンコネクタのファンをパルスセンサー付きの3ピンファンコネクタのファンに変えるメリットはあるとしても、エアフローの強化が目的であり風量が増えないのでは換装しがいがないでしょう。
2-3 その他の増設クーラーの選び方
本来のPCケースファンの取り付け箇所に増設の余裕がない場合は、PCIスロットにクーラー(排気ファン)を取り付けたり、空き5インチベイにクーラー(吸気ファン)を増設することでエアフローを強化することができます。
PCIスロット取付クーラー(排気ブロアファン)は種類が少なく、ainexの「RSF-02」と「RSF-01BL」、SpireのExhauster/S「SP08025S1ME4」、ThermalTakeのPCI SLOT FAN「A2375」、Owltechの80mmブロワーファン搭載PCIスロット用システムクーラー「OWL-FY08PCI」ぐらいです。
ブロアファンでも口径の差と厚みが風量に関わるのでしょうが、この5製品のスペックは大きく異なり、風量の多い順に並べると次のとおりです。
1 ThermalTakeのPCI SLOT FAN「A2375」 回転数2900±10% /風量32CFM /ノイズ30dBA
2 SpireのExhauster/S「SP08025S1ME4」 回転数2500rpm /風量31.73CFM /ノイズ28.0dB
3 ainexの「RSF-02」 回転数2400rpm±10% /風量12.5CFM /ノイズ20dB(A)
4 Owltechの「OWL-FY08PCI」 回転数2500rpm /風量7.7CFM /ノイズ28.0dB
5 ainexの「RSF-01BL」 回転数1700rpm±10% /風量3.98CFM /ノイズ20dB(A)
もちろん風量が多い方が排気能力が高くて好ましいのですが、いずれも電源供給ケーブルは、ペリフェラル4ピンコネクタを採用し、基本的には回転数は固定で使うことを前提としています。
ノイズレベルが高いものでも28〜30dBであり、それ程うるさいというレベルではありませんが、回転数が調整できないとなると騒音レベルを抑制できないため、PCケースの躯体サイズやパーツ構成によっては向き不向きがあるでしょう。
メインパソコンのエアフローの強化のためには、風量の多いThermalTakeのPCI SLOT FAN「A2375」か、SpireのExhauster/S「SP08025S1ME4」(QualistaとOwltechが販売)を探しましたが、パーツショップではThermalTakeのPCI SLOT FANを見つけることができなくて、Exhauster/S「SP08025S1ME4」を購入しました。
メインパソコンで使うAntec製の電源「TP3-550」は、電源ユニットのファンコントロール機能が働く4ピンFAN ONLYコネクタを2つ備えています。
このFAN ONLYコネクタに、右の画像のように、Exhauster/Sのペリフェラル4ピンコネクタを接続することで、回転数が自動調整されます。
ただし、ペリフェラル4ピンコネクタではパルスセンサー信号が検出できないため回転数の確認は不可能です。
ついでにセカンドマシンのスリムATXケースのValueWave「CP-502LWH」用にも、Exhauster/Sを購入しようと思いましたが、このスリムATXケースは、ケースファン4基が標準で付属し、2基のリアファンは温度により1基の停止も含めて回転数がコントロールされており、Exhauster/Sが夏でも冬でも常時2500rpmで回転してノイズ28.0dBが加わることは気になります。
現状は、暑い夏には長時間使うとケースファンがフル回転してうるさいので、Exhauster/Sの排気能力が高いことが役に立つのでしょうが、室温が低い冬ではあえてファンを増設しない方が静かでしょうから、ノイズ20dB(A)とほとんど気にしなくても良いレベルであるainexの「RSF-02」を購入しました。
「RSF-02」は厚みが2スロット厚ですが、セカンドマシンのPCIスロットはビデオカード以外は使っていないし、このセカンドマシンでは将来の拡張性も支障がないでしょう。
5インチベイ用クーラーも種類が少なく、購入したValueWaveの5インチベイHDDクーラー「HDC-1000BK」以外には、親和産業の黒五兵衛 「SS-5BAY-BK」、白五兵衛 「SS-5BAY-IV」、ainexの5インチベイHDDクーラー「HDC-501」シリーズ、Scytheの5インチベイ用システムクーラー「鎌平(KAMABAY)」ぐらいです。
できれば冷却専用5インチベイ用クーラーで120mmファンを搭載する「鎌平」を使いたいところですが、「鎌平」を吸気ファンとして使う場合は5インチベイを3段使用するため空き5インチベイが足りません。
単純にファンの取付用のものだけではなく、5インチベイに3.5インチHDDを取り付けるマウンタに吸気ファンが付いているものは、HDDを取り付けるかどうかに関わらずケース内の換気用に使うことができます。
「HDC-1000BK」は、風量20.32CFMの80mm静音ファンが付属しており、しかも右の画像のようにファンを取り外して交換することも可能であり、将来、さらにエアフローを強化する必要があれば、風量の多いファンに交換する余地があります。
なお、かつては親和産業の黒五兵衛、白五兵衛が人気がありましたが、別途ファンが必要と割高で最近は見かけなくなり、ainexのHDC-501シリーズは、ValueWaveの「HDC-1000BK(黒)/WH(白)」と回転数1600rpm±10% /風量 20.32CFM /ノイズ 16.0dB(A)と搭載ファンのスペックは同じ、外観もそっくりで、異なる点は「HDC-1000BK(黒)/WH(白)」がメンテナンスが楽なフロント部分のつまみ付きであることです。(OEM供給元は同じかもしれません。)
2-4 ファンコントローラの役割と使い方
ファンコントローラは、一般的にファンに供給する電力の電圧を手動で調整して回転数をコントロールするものであり、+12Vの電圧を下げてファンの回転数を抑えることが可能であり、回転数を抑えてファン騒音のレベルを下げることが使用目的です。
ここで重要なことは、ファンコントローラの役割はファンの回転数を下げることしかできないということであり、ファンコントローラを使っても冷却能力を高めることができるわけではなく、エアフローが十分確保できなければ、さらにファンを追加するよりないということです。
ファンコントローラは、スペックとして電圧の調整範囲が示されていることが多く、その範囲でファンの回転数を抑えることができますが、ファン回転数の表示機能のあるものとないものがあります。
回転数の表示機能がないファンコントローラでも、マザーボードにパルスセンサー信号ケーブルを接続すれば、BIOSのハードウェアモニタやマザーボードメーカーのモニタソフトでファンの回転数を確認できる場合がありますが、やはり回転数を確認しながら手動調整できる回転数の表示機能のあるファンコントローラの方が便利です。
右の画像のファンコントローラKAZEMASTERアルミ「KM02-BK」は、電圧調整レンジが+3.7V〜+12Vまでと調整レンジが広いこと、給電の停止機能があることがメリットであり、ファン回転数の表示機能もあるためファンコントローラの機能としては十分です。
なお温度表示機能もありますが、温度センサーを任意の場所に貼り付けて測定するものであり、CPU温度やM/B温度を監視するBIOSのハードウェアモニタとは役割が異なり、「KM02-BK」の温度表示機能の使い方としては、ケース内の離れた位置で測定し、どこか部分的に熱気がこもって温度が高くないかエアフローを確認してファンを制御する目安とするために使うことが良いのでしょう。
なお、前述したように、PCケースファンの電源供給ケーブルのコネクタは、ペリフェラル4ピンコネクタと、3ピンファンコネクタと、4ピンPWMファンコネクタの3種類のコネクタがあり、ファンコントローラでは3ピンファンコネクタの使用を基本としており、4ピンPWMファンコネクタも下位互換性があるため使用可能ですが、ペリフェラル4ピンコネクタでは接続できません。
ペリフェラル4ピンコネクタでも、3ピンファンコネクタに変換用のケーブルを使用すれば接続できますが、ファン回転数のパルスセンサー信号が検出できないため、回転数を調べることができません。
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3 増設・交換作業の留意事項と静音化対策の効果
3-1 パーツの増設・交換作業の留意事項
一般的に、PCケースファン、HDDクーラー、ファンコントローラ、電源ユニットは4本のネジ留めで固定することが普通であり、ネジ止めが緩くて外れては良くないのですが、固く締めすぎてもトラブルとなるおそれがあります。
PCケースファンのネジ止めは、一般的にはファンに付属する4本のテーパーネジ(右の画像の目の粗い先太のネジ)で固定します。
また、ケースファンには、リブ無しタイプとリブ有りタイプがあり、リブ無しは短いネジで取り付け可能ですが、PCケースファンの場合は、ネジが付属することが普通であり、その付属ネジを使えば良いでしょう。
なお、一部の電源ユニットやドライブ類は、標準ネジより短いネジでないと支障があり、付属ネジを使うように注意書きがある製品もあります。
そのため使用するネジは、それぞれのパーツにネジが付属していれば、その付属ネジを使うことが無難ですが、手持ちのネジを使うときは、インチネジとミリネジを間違えないことと、長すぎるネジは内部を損傷するおそれがあり、ネジの長さが適当かどうか確認して、素直にネジの頭まで入っていくかどうか注意が必要です。
<メインパソコンの増設・交換作業での留意事項>
今回のメインパソコンの作業では、電源ユニットを換装し、PCケースファンを交換、増設するとなると、信号ケーブルも含めて配線ケーブルを全て一旦外してから装着し直した方が作業がし易く、ついでに最近購入した容量1TBの日立製のHDD「HDT721010SLA360」を増設することとしてHDDの取付け位置を変更したため、新たにパソコンを組むのに近い手間が掛かっています。
メインパソコンのPCケース「VD3000SWA」は、スクリューレス方式でネジ止めが少なく、PCケースファンも専用の樹脂製取付具を外してはめ込む方式ですが、ケース前方下部の3.5インチHDD用のドライブベイを先に外さなければ、フロントファン用の取付具が外せないためスクリューレスでも少し面倒です。
右の画像は、PCケース内の後面の最下段のPCIスロットに、PCIスロット取付クーラーのExhauster/S「SP08025S1ME4」を取り付けたところです。
PCIスロット取付クーラーは、ネジ1本で簡単に空いている任意のPCIスロットに取り付け可能ですが、風の流れを考えて取り付け位置を決めることになります。
最近のビデオカードはボード長が長く、ケース内の空間スペースを2分し、風の流れをビデオカードの上下に分けてしまう傾向が強くなっており、上部はリアファンや電源ファンで排熱できますが、ビデオカードより下の空間では熱気が滞留しやすくなっています。
そのため、ビデオカードより下のPCIスロットに取り付けることを前提として、ビデオカードのファンが吸い込んだ空気を吹き付けて冷やすために、そのビデオカードのファンとは離すために、最下段のPCIスロットに取り付けています。
そしてExhauster/Sは、高熱となるRADEON HD4850搭載ビデオカードの発熱を排出するために効果がありそうです。
なお、初めから外排気使用のビデオカードを選んでも良いのですが、使用しているSAPPHIRE TOXIC HD 4850のZALMANファンは最大ノイズレベルは25dbA±10%と静かであり、ノイズレベルが明示されていない外排気使用のビデオカードより、静かであることが解っているビデオカードの方が安心であり、もしケース内温度が高くなることが問題であれば、後からでもエアフローの強化方法をいろいろ考えることができるため無難でしょう。
右の画像は、ValueWaveの5インチベイHDDクーラー「HDC-1000BK」に、2台のHDDを取り付けています。
HDDは3台取り付け可能ですが、HDDの発熱を考えると2台取り付けまでに抑えた方が良いでしょう。
もともとHDDの増設ベイが不足するために「HDC-1000BK」を使ったわけではなく、HDDを取り付けない方が、本来の目的であるフロントからの外冷気の取り込みの効果は大きいのでしょうが、本来の3.5インチベイに余裕を持たせたかったために2台取り付けてみました。
「HDC-1000BK」の80mmファンのノイズレベルは 16.0dB(A)と静かですが、ファンコントローラに接続して回転数の調整や動作停止ができるようにしています。なおPCケースに取り付けた後も、ファンを含むフロント部分が取り外せるためメンテナンスが便利です。
右の画像は、PCケースの4段の5インチベイに、DVDドライブ、HDDクーラー、ファンコントローラを取り付けたところです。
上から順に、どういう順番で取り付けるかが考えどころであり、次の事項を配慮して決めると良いでしょう。
1 ケース内の配線が届き、配線作業がし易いこと
2 普段から操作するものは上段が使い易いこと
3 HDDクーラーのファンの風の流れ
今回の場合、ケース内の配線は順番にかかわらず届き、ケース内の配線のし易さは、ファンコントローラに接続するケーブルが多いため、ファンコントローラ周りのスペースが広いと楽に結線できます。
完成後の普段の操作は、このパソコンが机の下の床に置いており上段のベイが使い易く、最もよく使うDVDドライブが上段にあると便利です。
HDDクーラーのファンによるエアフローは、フロントケースファンが下部にあるため、ケース内の後部少し上の方のCPUに向けて風の流れを強化するためには、これも上段の方が良いでしょう。
なお、このPCケースでは、5インチベイへのパーツの取付は、ドライブ等にガイドレールを装着してベイに押し込むスクリューレスなので作業がし易いのですが、ファンコントローラのKAZEMASTERアルミ「KM02-BK」は奥行きが短いため、ガイドレールを取り付けても、しっかりと固定できないのが難点です。
そのため、ファンコントローラは奥行きの長いDVDドライブの上か仕切りのある最下段に置くと比較的安定するので、結果として上から順にDVDドライブ、HDDクーラー、ファンコントローラとしました。
ファンコントローラの上がHDDクーラーとなるため、このHDDクーラーの最下段にHDDを取り付けなければ、ファンコントローラ周りの空間スペースも比較的広く取れ、配線作業もし易いし、エアフローもまっすぐCPUに風が向かう位置で良いでしょう。
ファンコントローラに接続する配線は、ファンコントローラに電源供給するケーブル、ファンコントローラからファンに電源供給するケーブル、温度センサーケーブルとありますが、いずれもドライブベイに取り付ける前に接続する方が作業がし易いのですが、温度センサーケーブルの先端の温度センサーは線が折れると壊れるために、くれぐれも慎重に扱う必要があります。
電源ユニット、PCケースファン2基を換装し、PCIスロット取付クーラー、HDDクーラー、ファンコントローラを増設して、完成後のPCケース内部は右の画像です。
こうして見ると、HDDクーラーからCPUを通ってリアケースファンに向けての風の流れが新たに創り出され頼もしい感じです。
今は冬ですから、リアファンの「TRICOOL 120MM」を低速回転に設定して、フロントファンの「光る鎌風の風」とHDDクーラーのファンはファンコントローラで回転数を低く抑えても、ASUS PC PROBEUでマザーボード温度が34〜35℃ですから、ケース内温度は全く支障がないレベルです。
夏になって、どの程度改善されているのか楽しみですが、いざとなればHDDクーラーの80mmファン(風量 20.32CFM )をもっと風量の多いファンに換装する余地があります。
そのときもLED付きの光物のファンにこだわりそうですが、LED付きのファンは単に見栄えが良いだけではなく、「KAZEMASTERアルミ」のようなファン停止機能のあるファンコントローラを使う場合は、ファンが停止しているかどうか一目で解ることが便利です。
<セカンドマシンの増設・交換作業での留意事項>
セカンドマシンは、電源ユニットをサイズの「剛力短PLUG-IN 600W」に交換して、PCIスロット取付クーラーのAinex「RSF-02」を増設しました。
もともとPCケースの「CP-502LWH」はファンが4基標準で取り付けられており、なにせスリムATXケースですから可能なことには限界があり、エアフローの強化のためにはPCIスロット取付クーラーを取り付けることぐらいしか方法がなさそうです。
上の画像は、左側が作業前で、右側が作業後であり、まず電源ユニットの奥行きが140mmから123mmと短くなって、マザーボードの右端のSATAコネクタ、ケースファンコネクタ、フロントパネルコネクタなどに電源ユニットがほとんどかぶらない状態となり、コネクタの抜き差しが容易になっています。
また電源ユニットはケーブル着脱式であり、このパーツ構成では6本付属するケーブルのうち3本使用すれば間に合うため、不要なケーブルを省くことでケース内の配線がスッキリと納まり、増設したPCIスロット取付クーラー周りも広いスペースが取れています。
さて電源ユニットの交換作業ですが、元の電源ユニットの止めネジを外し電源ケーブルを抜いて左横にずらして取り外す前に、マザーボード下部に接続してあるIDEケーブル、USBケーブルなどを外し、ビデオカードを抜いておく必要があります。
またSATAケーブルやスィッチ・LED類のケーブルも、先に外せるものは外しておき、電源ユニットの取り外しに邪魔になるものはないかよく確認して慎重に行うこと、つまり取り付けるときより取り外すときの方が気をつけた方が良いでしょう。
また、PCIスロット取付クーラーのAinex「RSF-02」の取付け位置はメインパソコンと同様に、ビデオカードとの間に空間スペースを取ると良いため、2スロット分の間を空けて取り付けています。将来より厚みのあるビデオカードを取り付ける場合は、もっと下のスロットに「RSF-02」を下げた方が良いでしょう。
このスリムATXケースでは、上の画像では取り外してあるサイドパネルにCPU用の吸気ファンがあり、リアケースファン2基は排気用、電源用も排気ファンとなっており、電源ユニットが前置きのためイレギュラーな風の流れとなりますが、、上の画像を見比べても解るようにゴチャゴチャとした配線をスッキリさせ、PCIスロット取付クーラーを増設することにより、エアフローが改善されていることでしょう。
なお、このスリムATXケースを使用して組み立てたときの解説は、「スリムATX PC自作」を参照としてください。
3-2 静音化対策の効果
今回のPC冷却ファン騒音の静音化対策によって、メインパソコンは随分静かになったと感じます。
作業後は、RADEON HD4850ビデオカードやCore2 Quad Q9450に換装する前と比べても静かになったぐらいの水準であり、十分満足のできる結果ですが、今は冬場ですから夏になって室温が上昇したときに、どの程度の効果があるのか、それが実感できるのかどうか楽しみです。
作業前でも、短時間であれば高負荷をかけても騒音が気になることもなく、パソコンの電源を長時間入れっ放しにして使用し続けて、PCケース内の温度が上昇し、その結果うるさいという状態であり、そのため改善されたかどうか確認するためには、PCケースファンやHDDクーラーのファンの回転数を変更して3〜4時間以上使ってみてPCケース内の温度を調べる必要があります。
新しいPCケースファンは、フロント、リアともに回転数の調整が可能であり、特にフロントファンはファンコントローラにより回転数を自由に抑制できます。
また、PCIスロット取付クーラーは電源ユニットのファンコン機能を使用して電源ユニットのファンと同様に自動制御にしており回転数を任意に設定できませんが、HDDクーラー用の8cmファンは、フロントからの冷気吸気用にもなっており、これもファンコントローラにより回転数を制御できます。
さらに、既存のThermalTake製の「iFLASH mini」もサイドパネルの通気口に近いところに位置を変えて吸気に役立てることとし、ファンコントローラで回転数を制御できます。
これらの冷却ファンの回転数を試しに変更して下の表に温度の測定結果を載せていますが、測定条件1は今回の作業前の状態とほぼ同じ回転数に、測定条件2は冬場に適した回転数に、測定条件3は春と秋を想定した回転数に制御し、測定条件4は夏の酷暑の日を想定し全てのファンをフル回転させた状態として、ケース内温度を比較しています。
BIOS Hardware Monitor 表示温度 |
ASUS PC PROBEU 表示温度 |
KAZEMASTERアルミ 位置1 中央上部 位置2 前部中段 位置3 後部中段 位置4中央底板上 |
|||
---|---|---|---|---|---|
CPU | M/B | CPU | M/B | ||
測定条件1 フロントファン1300rpm リアファン 1200rpm サイドファン 2000rpm HDDクーラー OFF PCIスロットファンOFF |
49〜51℃ CPU FAN 2149 〜 2280rpm |
33〜34℃ | 40〜42℃ CPU FAN 2096 〜 2280rpm |
33〜34℃ | 位置1 28.6〜30.3℃ 位置2 22.0〜23.0℃ 位置3 25.8〜27.2℃ 位置4 24.0〜25.9℃ |
測定条件2 フロントファン 800rpm リアファン 自動 サイドファン 1500rpm HDDクーラー 1200rpm PCIスロットファン自動 |
51〜52℃ CPU FAN 2311 〜 2445rpm |
34〜35℃ | 42〜44℃ CPU FAN 2235 〜 2360rpm |
34〜35℃ | 位置1 30.0〜31.9℃ 位置2 23.0〜24.0℃ 位置3 28.6〜30.3℃ 位置4 27.0〜28.9℃ |
測定条件3 フロントファン1300rpm リアファン 1600rpm サイドファン 1500rpm HDDクーラー 1600rpm PCIスロットファン自動 |
48〜49℃ CPU FAN 2070 〜 2149rpm |
29〜30℃ | 38〜40℃ CPU FAN 2070 〜 2163rpm |
29〜30℃ | 位置1 27.0〜28.9℃ 位置2 19.2〜21.1℃ 位置3 24.0〜25.7℃ 位置4 23.0〜25.0℃ |
測定条件4 フロントファン1600rpm リアファン 2000rpm サイドファン 2000rpm HDDクーラー 1600rpm PCIスロットファン固定 (最大回転数2500rpm) |
44〜46℃ CPU FAN 2057 〜 2149rpm |
26〜27℃ | 36〜38℃ CPU FAN 2057 〜 2149rpm |
26〜27℃ | 位置1 26.2〜27.1℃ 位置2 18.2〜20.2℃ 位置3 23.0〜24.0℃ 位置4 22.0〜23.0℃ |
測定条件1は、リアファンの「TRICOOL 120MM」を低速1200rpmに手動設定し、フロントファンの「光る鎌風の風」を1300rpm程度にファンコンで抑え、サイドファンの「iFLASH mini」をフル回転(2430rpm)とし、HDDクーラーのファンはファンコンで停止し、PCIスロットクーラー「SP08025S1ME4」は配線を外して停止することにより今回の作業前の状態に近い環境としています。
この測定条件1と、全てのファンを定格どおりフル回転させた測定条件4との温度を比較し、その温度差が冷却能力の向上を示しており、BIOSのHardware MonitorとASUSのPC PROBEUで表示されるマザーボード温度は6〜7℃下がっています。
また測定条件2は、冬の季節に作業前(測定条件1)より静かな状態にするために、リアファンとPCIスロットファンは電源ユニットのFan Onlyコネクタに接続することにより回転数を自動調整とし、フロントファンは800rpm、サイドファンは1500rpm、HDDクーラーのファンは1200rpm程度にファンコンで回転数を下げており、全てのファンの回転数を抑制しています。
この自動調整されたリアファンは、室温が低い冬なので1000rpm以下と低速で回っており、そのため測定条件2がTOTALの騒音も最も静かです。M/B温度は、Hardware MonitorとPC PROBEUともに34〜35℃と測定条件1より1〜2℃ほど温度が上昇していますが、測定条件2以外はこの季節では冷やし過ぎであり、もっとファンの回転数を下げて静かにすることが可能ということです。
春と秋を想定した測定条件3では、リアファンを標準1600rpmに手動設定しており、それでも以前と比べて静かになったと感じますが、このリアファンを高速2000rpmに固定すると少し騒音が耳につくため避けたいところです
幸いリアファンをFan Omlyコネクタに接続することで、高速2000rpmに手動設定しても自動で回転数がコントロールされるため、それで一年中使用しても良さそうです。
静かになったかどうかの確認は、エアーフローの強化によりCPUファンの回転数が低く抑えられていることからも明らかであり、最も回転数の高い測定条件2でも2400rpm以下と抑えられ、この水準ではCPUファンの騒音は気にならないほど静かであり、目的を達成しています。なお、測定条件4でのCPUファンの回転数2057〜2149rpmはおそらく下限の回転数でしょう。
測定条件4の全てのファンを定格どおりフル回転させた状態が右の画像です。
ファンの回転数のスペックは±10%と表示されている場合が多く、リアファンとサイドファンは定格より高回転、フロントファンとHDDクーラーのファンは低回転で回っていますが、回転数の表示も常に一定範囲で変動しています。
ファンコントローラの温度センサーの貼り付け位置は、位置1がケース内中央上部のCPUと電源の間、位置2がフロント側中段、位置3がリア側中段、位置4が中央底板上であり、ファンコンでは位置1〜位置4の温度が左から順に表示されており、風の流れと熱源の位置関係から、どの条件でも位置1が最も高い温度となり、位置2が最も低い温度となっており、これは想定どおりです。
このPCケースはアルミ製の躯体で熱伝導率が高く、そのためケースからの放熱効果が高いのは良いことですが、シャーシに温度センサーを貼り付け温度を測定するとなると外気の影響が大きく、部屋の室温の変化に敏感となり、窓を開けて冬の冷たい空気を室内に入れると全ての測定位置でグングン表示温度が下がります。
この時マザーボード温度やiFLASH miniの表示温度を確認すると、それ程下がっていないため、ファンコンの表示温度ほどケース内温度は下がっていないようですが、温度センサーの貼り付けを直接シャーシに貼らないで発泡スチロールでも挟んだ方が、熱気の滞り易いところを探すという目的にかなうのでしょう。
しかし温度センサーの線が折れやすい(既に1本折れて予備を使っています)ので、取り敢えず、ふらふらしているより固定されていて安全なシャーシに貼っていますが、夏になって、しっかり測定したくなればセンサーの貼り方と貼る位置を考え直そうと思っています。
パソコンの電源が入れてWindowsが起動直後のアイドル時は、回転数が制御できる全てのファンをフル回転させていれば、当然のことながらPCケースファンが2台とも全開時のノイズレベルが高いため、またファンの数が増えたため騒音も大きくなります。
しかし、今は冬ですから、測定条件2のようにファンの回転数を落とすことで、Windows起動直後でも対策前と比べて静かになっていることが実感できます。
これが夏になれば、フロントファンは全開の1600RPM、リアファンは高速2000RPMで回ることも想定され、Windows起動直後のアイドル時では、むしろうるさくなったと感じるでしょうが、エアフローが強化されてケース内温度の上昇を抑えるため、しばらく使っても、あまり騒音レベルが上昇しない、つまり長く使い続けてもうるさくならないという効果が大きいでしょう。
結局、リアファンとPCIスロットファンは、電源ユニットのファンコントロール機能に任せ自動調整としていますが、季節に留意して、夏の暑い盛りは高速回転に固定し、フロントファンとHDDクーラーのファンはファンコントローラでケース内温度の状況に応じて可能な限り回転数を抑制することで静かな状態を常に保つよう調整可能であり、これが回転数を制御できるメリットです。
騒音計がないので騒音レベルが計測できませんが、このレベルの騒音を距離の相違や位置関係、暗騒音(バックグラウンドノイズ:無音の状態を作ることが困難でありパソコン以外の様々な雑音)に配慮して、家庭で素人が正確に測定することは困難であり、ケース内温度を確認して、その温度差により改善されたのかどうかの目安とすれば良いでしょう。
どちらかというと騒音は気になる方であるため、今回は電源ユニットは別として1万2千円程度のコストを掛けて静音化対策をしてみましたが、パソコンの置く位置を少し変えてみるとか、ケースファンの吸口部のほこりの除去などで普段から換気が悪くならないように留意することも必要です。
さらにコストを掛けるのであれば、CPUファンの換装、水冷化、そもそもPCケースの交換など他にも方法がありますが、開放型PCケースでは外に漏れる騒音を封じ込めることは不可能であり、換気用ケースファンがうるさいのか、内部のCPUファンやビデオカードファンがうるさいのかバランスの問題であり限界があります。
今は冬ですが、このPCケースで最初にCore2 Duoを使ったときより静か、それ以前の歴代のPCケースでの環境と比べても最善ではないかと思えるほど静かな状態であり、満足すべき結果です。