マザーボード − 自作パーツの選び方

マザーボードは、メインボードと呼ぶこともある他のパーツを装着する基板であり、このマザーボードによって使用できるパーツが決まるため、マザーボード選びは重要です。一般的な自作パソコン用のマザーボードは、通常サイズのATX規格と、小型のMicroATX規格とあり、PCケースの規格に合わせて探すことになります。


 マザーボードの規格とチップセットの選択

マザーボードの規格は、通常サイズのATX規格と、小型のMicroATX規格とあり、MicroATX規格のマザーボードはMicroATX規格のPCケースとATX規格のPCケースのどちらにも取付け可能ですが、ATX規格のマザーボードはATX規格のPCケースに取り付けることができても、MicroATX規格のPCケースには取り付けることができません。

 ということは、MicroATX規格のマザーボードの方が使い易いとも言えるのですが、基盤のサイズが小さいために、例えばPCI Expressのスロットの本数が少なく、USBコネクタ、SATAコネクタ、ケースファン用コネクタなどパーツを接続するコネクタの数も少ないなど機能的な制約があることがデメリットとなります。

 CPUのソケットが変わることはプラットフォームが変わることであり、かつては、CPUのソケットが変わることは稀なことでしたが、最近は新型のCPUが登場すれば、ソケットも変わることが多いほど頻繁にソケットが変わります。


ASRock Z68Pro3-M


そのため、チップセットを選択する前に、まずプラットフォームを確認して、選んだCPUが使用可能なソケットを搭載するマザーボードを選ぶことが最も重要です。

<CPUソケット>

 Intel製CPUの場合は、2011年1月に登場したSandy bridgeのCore i7/i5シリーズのソケットからLGA1155ソケットが採用されています。

 そして2012年4月下旬に発売されたIvy bridgeのCore i7/i5シリーズでも引き続きLGA1155ソケットが使われており、パーツショップでは、LGA1155マザーボードが最も多く販売されています。

 しかし、ハイエンド向けのLGA2011マザーボード、前世代のLGA1156マザーボードやLGA1366マザーボードも販売されているので間違わないように確認することが重要です。

 AMD製のCPUの場合は、2011年7月に登場したAMD初のグラフィック統合型CPU「AMD Aシリーズ」のソケットが新しい「Socket FM1」を採用しており、現役CPUのソケットが2種類に増えて注意が必要です。さらに近日中に、次の世代のグラフィック統合型CPUで新型の「Socket FM2」に移行する予定であり、紛らわしいことになりそうです。

 また、2011年11月に登場したグラフィック非統合の「AMD FXシリーズ」のソケットは、Socket AM3の後継のSocket AM3+へと移行しています。

 この「AMD FXシリーズ」のCPUは、既存のSocket AM3マザーボードでもソケット形状が同じなので使えますが、新しい機能は使えないため、新たにマザーボードを購入するのであればSocket AM3+マザーボードを選択すべきでしょう。なお、Socket AM3+マザーボードで、前世代のSocket AM3対応CPUは支障なく使えます。

 ゆえに当面は、Socket AM3、Socket AM3+、Socket FM1と3種類のソケットのマザーボードが、さらに2012年夏以降はSocket FM2を加えて4種類のマザーボードが流通している状態となるため間違えないように最深の注意が必要です。


<メモリースロット>

 マザーボードを購入するときに、次に確認する点はメモリースロットであり、最近のほとんどのマザーボードはDDR3メモリーをサポートしており、このDDR3メモリー用のメモリースロットを搭載しているマザーボードを選ぶことが基本です。

 2009年以降は、Intel、AMDともに、DDR3メモリーをサポートするプラットフォームが主流となり、現在のIntelのLGA1155プラットフォームも、AMDのSocket AM3+プラットフォーム、Socket FM1プラットフォームも引き続きDDR3メモリーに対応しています。

 このDDR3メモリーの時代は、これからもDDR4メモリーが登場する予定の2014年までは少なくとも続くと見込まれており、当分の間はDDR3メモリー用のメモリースロットがあるマザーボードのみが発売されるという状態が続きます。

 このDDR3メモリーには、動作クロックによる種類があって、DDR3-1066(PC3-8500)、DDR3-1333(PC3-10600)、DDR3-1600(PC3-12800)へと高速化していますが、Intelのプラットフォームが公式にDDR3-1600をサポートしたのは、最新のLGA1155対応のIvy bridgeが初めてであって、前世代のSandy bridgeはDDR3-1333までのサポートとなっています。

 しかし、IntelのチップセットがDDR3-1333までの対応であっても、各マザーボードメーカーがDDR3-1600以上のオーバークロックメモリーを独自にサポートすることが多く、マザーボードのスペックを確認すると、最近のほとんどのマザーボードがDDR3-1600以上のメモリーをサポートしています。

 マザーボードのDDR3メモリー用の物理的なメモリースロットは、DDR3-1333でもDDR3-1600でも、DDR3メモリーであれば挿すことができて、DDR3-1600メモリーを挿した場合、動作クロックはBIOSまたはUEFIで確認して、DDR3-1600と自動的に正しく認識されていればそれで良いのですが、場合によっては手動で設定する必要があるかもしれないということです。

 なお、DDR3メモリーとDDR2メモリーとは、切り欠きの位置が違っているため、DDR3メモリー用のメモリースロットにはDDR2メモリーは物理的に挿せません。その逆で、DDR2メモリー用のメモリースロットでは、DDR3メモリーは使えないため、少し古いDDR2メモリースロットを装備するマザーボードを間違えて購入しないように注意してください。

 マザーボードのメモリースロットの本数は、一般的には4本で、デュアルチャネルに対応している場合は、2本づつ色分け(上の画像のASRockのマザーボードでは青と白に色分け)がされています。

 4本のメモリーをデュアルチャネルで使う負担は大きく、4本のメモリースロットがあっても2本しか使わないことが多く、廉価マザーボードの中には、メモリースロットが2本と少ないものもありますが、廉価マザーボードは省かれている機能もあるので、普通のグレードのマザーボードを購入したほうが良いでしょう。

 メモリーの種類や選び方について詳しくは、この自作パーツの選び方の「メモリー」の説明を参照していただくとして、ともかくマザーボードは、DDR3-1600(PC3-12800)メモリーをサポートしていることを確認して選ぶべきでしょう。


<ビデオカードのスロット>

 2004年から2005年にかけてPCI Expressインターフェースの採用とともに、ビデオカードのスロットは、AGPスロットからPCI Express x16スロットに置き換わっています。

 この初代のPCI ExpressインターフェースであるPCI Express1.1は、2007年以降に帯域幅が2倍と高速にデータ転送が可能な第2世代のPCI Express2.0へと移行し、その後2012年に入って、さらに倍の転送速度の第3世代のPCI Express3.0への対応が始まっています。

 このPCI Express3.0への対応は、ビデオカードでは2012年1月に発売されたAMDのRadeon HD7970をはじめ、その後のHD7000番台シリーズのビデオカードが対応しており、NVIDIAも2012年3月に発売されたGeForce GTX 680で対応し、Intelのプラットフォームでは、2012年4月下旬に発売されたIvy BridgeでPCI Express3.0をサポートしており、これから本格的に対応が進むことでしょう。

 この3世代のPCI Expressインターフェースは互換性があって、PCI Express3.0対応ビデオカードをマザーボードのPCI Express2.0対応PCI Express x16スロットに装着することが可能であり、現状では、まだPCI Express2.0であってもインターフェースの転送速度がボトルネックとなっていないため、パフォーマンスは変わらずに使用できます。

 ゆえに、PCI Express2.0でもPCI Express3.0でも、どちらでも構わないので、マザーボードにPCI Express x16スロットがあればビデオカードが使用できます。

 マザーボードの中には、グラフィック統合型CPUやグラフィック統合型チップセットの内臓グラフィックスを使用することを前提にPCI Express x16スロットがない廉価マザーボードや、逆にPCI Express x16スロットが2本以上搭載されていて2枚以上のビデオカードが使用可能な高級マザーボードも販売されています。

 一般用途のパソコンであれば、ビデオカード用のPCI Express x16スロットが1本あれば十分ですが、3Dゲームで遊ぶことが多いのであれば、2枚以上ののビデオカードを使用して高速描画する技術であるNVIDIAのSLI、またはATIのCrossFireテクノロジをサポートするPCI Express x16スロットが2本以上搭載されているマザーボードは魅力的でしょう。


<チップセットの選択>

実は、そのマザーボードでどのようなパーツが使えるのかということは、搭載しているチップセットでほとんど決まってしまうものです。

 マザーボードを選択するときに、使用するCPUのソケットに対応するプラットフォームを選んで、次にチップセットを選択することがセオリーですが、最近は、IntelもAMDもCPUのソケットが頻繁に変わるため、それぞれのプラットフォームで選ぶというほどチップセットが提供されるわけでもなく、せいぜい自社製の2〜3種類の純正チップセットが用意されるぐらいです。

 そこで、IntelとAMDの最新プラットフォームのマザーボードに使用されているチップセットをリストアップしておきます。

CPUソケット チップセット 対応CPUとコンセプト
LGA2011 Intel X79 Core i7の3900番台、3800番台 (Sandy Bridge-E)
Core i7-3960X、i7-3930K、i7-3820
ハイエンドCPU向け高機能チップセット
LGA1155 Intel Z77 Core i7の3700番台、3500番台、3400番台 (Ivy Bridge)
Core i7-3770K、i7-3770、i7-3770s
Core i5-3570K、i5-3550、i5-3450、i5-3450s
パワーユーザー向けフル装備チップセット
倍率可変オーバークロックをサポート
Intel H77 Core i7の3700番台、3500番台、3400番台 (Ivy Bridge)
Core i7-3770K、i7-3770、i7-3770s
Core i5-3570K、i5-3550、i5-3450、i5-3450s
メインストリーム向けチップセット
高速ハードウェアエンコードをサポート
Intel B75 Core i7の3700番台、3500番台、3400番台 (Ivy Bridge)
Core i7-3770K、i7-3770、i7-3770s
Core i5-3570K、i5-3550、i5-3450、i5-3450s
バリューPC向け低価格チップセット
Socket AM3+ AMD 990FX AMD FXシリーズのCPU (Bulldozer)
FX-8150、FX-8120、FX-6200、FX-6100
FX-4170、FX-4100
2x16レーンのCrossFireXをサポートする高機能チップセット
AMD 990X AMD FXシリーズのCPU (Bulldozer)
FX-8150、FX-8120、FX-6200、FX-6100
FX-4170、FX-4100
2x8レーンのCrossFireX対応のミドルクラスチップセット
AMD 970 AMD FXシリーズのCPU (Bulldozer)
FX-8150、FX-8120、FX-6200、FX-6100
FX-4170、FX-4100
CrossFireX非対応の基本チップセット
Socket FM1 AMD A75 AMD AシリーズのGPU統合型CPU (Llano)
A8-3870K、A8-3820、A6-3670K、A6-3500
A4-3400、A4-3300
新機能充実のベーシックチップセット
AMD A55 AMD AシリーズのGPU統合型CPU (Llano)
A8-3870K、A8-3820、A6-3670K、A6-3500
A4-3400、A4-3300
バリューPC向け低価格チップセット

Core i7の3900番台のハイエンドCPUはTDPが130Wと高いためお勧めできませんが、LGA2011プラットフォームはハイエンドCPU向けのため廉価版のチップセットは不要ということで、高機能なX79チップセットしかありません。

 メインストリーム向けのLGA1155プラットフォーム用のチップセットは、Z77、H77、B75の3種類がありますが、結論から先に言うとZ77チップセットが本命です。

 というのは前世代のLGA1156プラットフォーム用のチップセットが登場したときに、P67のオーバークロック仕様か、H67の動画エンコード性能か、どちらを選ぶのかという二者択一が迫られ、その4ヶ月後に全部入りのZ68チップセットが登場して、どちらかを選ぶという悩みが解消されたという経緯があるからです。

 そして新しい3種類のチップセットは、スペックシート上の違いがほとんどなくなって、グレードの差という印象が強くなりましたが、それでもZ68チップセットの後継のZ77チップセットがPCI Express3.0対応2×8レーンまたは1×8レーン+2×4レーンの複数枚のビデオカードの使用と、倍率可変のオーバークロックをサポートして機能的には最善であり、最新のCore-i7を使用するのに最もふさわしいチップセットでしょう。

 次のグレードのH77チップセットも、SSDをキャッシュとして使いハードディスクを高速化するISRT(Intel Smart Response Technology)機能をサポートして、この点ではZ77との差はなくなりましたが、やはりオーバークロックの面白味はなく、また廉価チップセットのB75チップセットは、レガシーなPCIインターフェースをサポートする魅力はあっても、新しいCore i7/i5シリーズを使用するのであれば避けた方が良いでしょう。

 なお、上の表では省略しましたが、Z77、H77、B75ともに、LGA1155対応の廉価CPUであるPentiumやCeleronや、前世代のSandy Bridgeもサポートしており、メーカー製のバリューPCなど多様なニーズに一通り対応できるようになっています。

 次に、AMDのSocket AM3+プラットフォームでは、上の表のAMD FXシリーズのCPU向けに用意されたAMD9シリーズのチップセットのほか、AMD8シリーズやAMD7シリーズのチップセットも使用可能であり、これらのチップセットを搭載するSocket AM3+マザーボードも発売されていますが、BIOSのリビジョンが新しくないとAMD FXシリーズのCPUは使えないことがあります。

 AMD9シリーズの990FX、990X、970の相違は、主に複数枚のビデオカードを使用するAMD CrossFireXの対応の違いであり、990FXチップセットは2x16レーンまたは4x8レーン構成が可能と最大4枚のビデオカードをサポートし、990Xチップセットは2x8レーンと2枚のビデオカードをサポートしていますが、970チップセットはCrossFireXに非対応となっています。

 また、AMD9シリーズのチップセットを搭載するマザーボードでは、既存のSocket AM3対応CPUも使用可能です。

 グラフィック統合型のCPUをサポートするSocket FM1プラットフォームでは、North bridgeもCPUに統合されているため、Sauth bridge機能をになうA75、A55の2種類の新しいチップセットが用意されています。A75チップセットは、USB3.0と 6Gbps対応SATAをサポートしていますが、A55チップセットは対応していないので、A75チップセットを採用するマザーボードの方が圧倒的に人気があって数多く販売されています。

 最近は、現役世代のチップセットが少ないので、ここに至るまでのLGA775プラットフォーム以降数年間のIntelのメインストリーム向けのチップセットを下の表にリストアップしてみました。

2004年6月 i915P、i915G プレスコット Pentium4をサポート
2005年5月 i945P、i945G デュアルコア PentiumDをサポート
2006年6月 P965、G965 Core2シリーズをサポート
2007年6月 P35、G33 FSB1333MHzのCore2シリーズ
45nm版のCore2シリーズをサポート
2008年6月 P45、G45 (P35/G33とCPUサポートは同じ)
2009年9月 P55 (LGA1156対応Core i7/i5をサポート)
2011年1月 P67、H67 (LGA1155対応Core i7/i5をサポート)
2011年5月 Z68 (P67、H67とCPUサポートは同じ)

この中で、下の画像のようにi915G、G965、P35、P55、Z68と順に、各チップセットを搭載するマザーボードを使用してきましたが、P45、G45までがLGA775プラットフォームであり、ここまでは型番に「G」が付くのがグラフィックス統合型のチップセットで主にMicroATXマザーボードで採用されてきました。


Intel D915GAGL


Intel DG965SSCK


ASUS P5K Deluxe


GIGABYTE P55M-UD2


ASRock Z68Pro3-M

この同じLGA775プラットフォームの間は、新しいマザーボードで古いCPUも基本的には使用可能ですが、逆に新しいCPUを古いマザーボードで使用する場合には制限があります。つまり世代が近ければ、古いマザーボードのBIOSを更新して新しいCPUが使えることもあります。

 実は、LGA775プラットフォームは、2004年6月末に発表されて以来、2009年9月に登場したCore i7/i5(Lynnfield)シリーズでLGA1156ソケットが採用されるまで、長い間使われてきました。

 これ以前の2000年代前半、WindowsXPの初期の時代の古いマザーボードは、例えば主電源コネクタが20ピンであったり、ビデオカードスロットがAGPであったり、初代のSATAコネクタであったり、初代のDDRメモリースロットであったりと、さすがにCPUだけでなく他のパーツも代替困難でマザーボードは寿命に近いところでしょう。

 そして、LGA775の後のLGA1156プラットフォームは、最初から一世代限りであることがアナウンスされていたとおり、2011年1月に後継のLGA1155プラットフォームが登場して早くも1年4か月で幕引きとなりましたが、予定されてたこととは言え残念なことです。

 CPUのFSBが変更となる、CPUのキャッシュ設計を大幅に変更する、サポートするメモリーの規格が変わる、CPUのコア数が増えてTDPが上昇する、というような事由もなく、Core i7がグラフィック統合型CPUになったとしても、グラフィック統合型のCore i5/i3はLGA1156プラットフォームでも存在しており、本当にCPUのソケットを変える必要があったのか理解できないところです。

 なお、LGA1156対応グラフィック統合型のCore i5/i3(Clarkdale)は、Lynnfieldに遅れること4か月後の2010年1月に発売されており、H55/H57/Q57チップセットを搭載するマザーボードも同日に発売されています。

 また、この間に、6Gbps対応SATA3.0、USB3.0の普及が一気に進みましたが、それぞれ定番となった専用コントローラーチップ(SATA3はMarvell製コントローラー、USB3.0はNEC製コントローラー)が提供されていて、Intel純正チップセットとは関わりなく、むしろIntelのプラットフォームでは後追いで公式にサポートしているのが現状です。

 一方、AMDのプラットフォームは、2006年5月にDDR2メモリーをサポートするSocket AM2が登場、2007年11月下旬に初のクアッドコアプロセッサ「Phenom」向けにSocket AM2+に移行、2009年2月にDDR3メモリーをサポートするSocket AM3に移行、そして2011年11月に「AMD FX」シリーズ向けにSocket AM3+が登場とプラットフォームは解り易く移行しており、この間のAMD純正チップセットも、AMD7シリーズ、AMD8シリーズ、AMD9シリーズと比較的長く使用されています。

 かつて、AMDはATIを買収した後の2007年に純正チップセットの提供を再開しましたが、その前まではAMD純正チップセットを全く作っていない時期もあって、VIAを中心に、SiS、ATI、NVIDIAがチップセットを提供していました。

 この頃のSocket AM2の直前のSocket939プラットフォームの時代は、短命に終わったもののAMDの絶頂期であり、そしてSocket AM2からSocket AM2+に移行した頃は、AMD純正チップセットを安く提供することでマザーボードの価格を抑え、CPU+マザーボードの合算したコストでIntelとの価格競争に挑んでおり、厳しい流れの中でIntel、AMDともに純正チップセットが主流となって、VIA、SiSはチップセットから縮小・撤退に向かっています。

 なおNVIDIAは、GPUのベンダーである強みを活かして、NVIDIAのSLIテクノロジーをサポートするチップセットやグラフィック統合型チップセットを最後まで残って提供していましたが、技術開放に方針を変えて、Intelのメインストリーム向けではP55チップセット搭載マザーボード以降、AMDではAMD9シリーズのチップセットを使用するマザーボードがSLI技術のライセンスの供与の対象となっています。

 こうしてチップセットは、Intel、AMDの純正チップセットばかりとなりましたが、このところのマザーボードの価格は安くなってきており、廉価チップセットは避けて主流のものを選べばマザーボードの品揃えも豊富で選び易いでしょう。


 マザーボードの装備・購入の際の留意事項

最近はマザーボードが装備する機能が増えており、今はサウンド機能はオンボード、ギガビットLANポートも標準装備のものがが普通です。

 他にも、SerialATA対応ハードディスクへの対応、IEEE1394ポートの装備、メモリースロットの数、PCIスロットの数、RAID機能のサポートなどが人によってはこだわる事項です。

 中でもインターフェースの規格は、2009年秋に、最大転送速度6Gbps対応のSATA3規格と、最大転送速度が5Gbps(SuperSpeed)対応のUSB3.0規格が相次いで実用化され、対応パーツや拡張カードの製品化とともに、マザーボードへの採用も始まっています。

規格 SATA SATA2 SATA3
規格制定発表 2000年11月 2004年4月 2009年5月
最大転送速度 1.5Gbps 3Gbps 6Gbps
サポート機能 NCQ機能 NCQ機能の強化
電源管理の改善
コンパクト化対応

SATAの規格は、実は2004年秋に登場した初期のSATA2規格のHDDはNCQ(Native Command Queuing)機能はサポートしていても最大転送速度3Gbps対応ではなく、2005年秋に3Gbps対応のSATA2.5仕様のHDDが登場というように徐々に仕様が定められてきており、SATA3は、Serial ATA International Organizationが2009年5月に発表したSATA Revision 3.0 Specificationの仕様に基づいています。

規格 USB1.1 USB2.0 USB3.0
規格制定発表 1998年9月 2000年4月 2008年11月
最大転送速度 Low Speed 1.5Mbps
Full Speed 12Mbps
High Speed 480Mbps SuperSpeed 5Gbps
信号ケーブル 2本 2本 6本
2本は旧規格互換用
バスパワー 500mA 500mA 900mA

USBの規格は、2008年11月にUSB3.0が発表されており、USB3.0規格上は最大転送速度が5Gbps(SuperSpeed)対応とUSB2.0のHigh Speedより10倍高速に接続できること、またバスパワーの給電能力が900mAと増強されていることから規格の普及が待ち望まれています。

 SATA3とUSB3.0インターフェースは、拡張カードで追加という方法もありますが、これからマザーボードへの実装も進み、もちろんSATA3とUSB3.0をサポートするマザーボードは将来性が高いでしょう。

 ソフト面の問題ですが、マザーボードには、Phoenix-AwardかAMIのBIOSが入ってます。いくら最新のボードでも、自宅で組立てた時には、すでに新しいリビジョンのBIOSが出ており古いということが結構あるのです。

 BIOSの古い理由は、BIOSが工場の出荷前に組込まれており、輸送、ショップでの在庫期間など購入までに時間がかかること、また最新のチップセットを使った製品は、初期ロットを出荷した後にもBIOSのバージョンアップがされること、開発後に新しいCPUが出たこと、使っているうちに不具合が見つかったなどさまざまで、やむを得ないことです。

 そして最近は、IntelのP55チップセットを搭載する初期のマザーボードはUSBの不具合を解消するためにBIOSのアップデートが必要というように、いち早く製品を出荷するために、発売後すぐにBIOSがバージョンアップがされる傾向が強まっています。

 私の場合も、かつて新製品を買ったらBIOSがテストバージョンだったということがありました。BIOSの書き換えはリスクが高く、前に書き換えたことがない人にはとても勧められません。私もかつては何度か書き換えたうち2度失敗しています。

 BIOSの書き換えでオシャカにしないよう、GIGABYTEのDualBIOS、AOpenのDieHard BIOS、ASUSのCrashFree BIOSのように工夫されているマザーボードもあります。

 ビギナーは、こうしたBIOSの書き換え失敗のときにも困らないように工夫されたものを購入するか、あるいは、もともと大した不具合がないのなら書き換えなくても良いので、最新のマザーボードには飛びつかず、少し待って評判が良いことを確認してから購入する方が安全です。

 マザーボード選びは、本当はこうしたことに注意を払うことが重要です。

 かつてインテルは、デュアルコアCPUのシェア争いを背景として、AMDとの対抗上、i945P/Gチップセットを搭載する純正マザーボードを実売価格1万5千円ぐらいまでと当時の価格破壊的な低価格で発売しており、以来インテル純正マザーボードの価格水準が他のマザーボードにも影響を与え、一般用のマザーボードは安い価格で推移しています。

 またインテルのCore2 Duoの発売以降、一気に劣勢となったAMDが、旧ATIの技術を活用してチップセットの提供を再開し、グラフィック統合型チップセット「AMD 690G」搭載マザーボードをどうみても安いと思える価格で発売し、以後も純正チップセット搭載マザーボードがお値打ちな価格で販売されています。

 CPUベンダーが、CPUとマザーボードを合わせたプラットフォームの導入コストを安くすることは、対抗戦略として常道となってきています。

 マザーボードの価格の目安は、基本的な仕様のもので1万円程度、豪華なものでも2万円程度、それ以上高いマザーボードは、最近はCPUを替える度に新しいマザーボードが必要となり、かつてのように長くは使えないため避けた方が良いでしょう。

 なお、ビギナーの方はもし故障した場合に、他のパーツの場合は検討がついても、CPUとマザーボードとは、どちらが壊れたのかわからないこともあり、CPUとマザーボードは同時に同じ店で購入した方が安心です。

 マザーボードは、地域のパソコンショップでは最新の欲しい商品が手に入らないこともあり、見つからないときや高価であれば通販ショップで探して購入すると良いでしょう。

TSUKUMO−マザーボードアプライド−Intel マザーボードアプライド−AMD マザーボード
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 自作パーツの選び方 目次


    1 パーツの選択の仕方

    2 パーツの種類別の選び方

       CPU  マザーボード  PCケース  メモリー

      ハードディスク  ビデオカード  その他のパーツ


    <参考> CPUの進化の歴史 (クアッドコアCPUへの進化の経緯解説)

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